「筋トレにはプロテイン!」「ダイエットにプロテインは最適!」など、テレビや雑誌、ネットで目にしたことがある方は多いのではないでしょうか。
しかし、「そもそもプロテインとは何か」「危険なものではないのか」「どんな効果があるのか」など、プロテインについてそこまで知らないという方も多いはず。
そこで今回は、プロテインの効果や摂取方法、副作用など、プロテインに関する基礎知識について解説していきます!
プロテインについて知りたい方、プロテインを飲もうか迷っている方はぜひ参考にしてください。
プロテインっていったい何?
そもそもプロテインとは何か。
英語でPROTEINはタンパク質を意味しており、人間のカラダに不可欠なタンパク質を手軽に摂れるようにしたものです。
タンパク質が筋肉の材料となることはよく知られていますが、骨や内臓、髪の毛、肌に至るまで、カラダの大部分を構成するという重要な役割もあります。
日常的にプロテインを飲んでいる人を想像すると、筋トレをしている人やスポーツをしている人を想像しがちですが、ダイエットをしている人や高齢者などの利用も増えています。
プロテインはトレーニング後の栄養補給として最適ですが、普段の食事でタンパク質が不足している場合にも利用することができます。
つまり、プロテインはタンパク質を摂りたいすべての人に最適なものであると言えます。
プロテインには種類がある?
プロテインには大きく分けて3種類のプロテインがあり、原材料や用途に違いがあります。
その3種類は、ホエイプロテイン・カゼインプロテイン・ソイプロテインです。
ホエイプロテイン | カゼインプロテイン | ソイプロテイン |
---|---|---|
牛乳を原料としたプロテイン | 牛乳を原料としたプロテイン | 大豆を原料としたプロテイン |
吸収性が高い | 吸収性は低い | 吸収性はやや低い |
満腹感はあまりない | 満腹感がある | 満腹感がある |
ホエイプロテインの特徴
ホエイプロテインは3種類のプロテインの中で最も利用されているプロテインで、牛乳を原料にして作られています。
なぜホエイプロテインが最も利用されているのかというと、3種類の中で一番吸収が早いため。
筋肉をつけたい人の場合、トレーニング後にタンパク質を素早く摂取することで効率よく筋肉をつけることができます。
特にゴールデンタイムと言われるトレーニング後30分以内にタンパク質を摂取することで、筋タンパク質合成を高めることが研究で明らかになっています。
なぜ30分以内に摂取する必要があるのかというと、1~2時間後に筋タンパク質合成がピークに達するため。
そのタイミングで筋肉の材料となるタンパク質が吸収されれば、効率よく筋肉を成長させることができます。
また、ホエイプロテインにはロイシンと言われるアミノ酸がプロテインの中で最も多く含まれ、筋タンパク質合成を促進させるのに重要な役割を担っています。
つまり、トレーニングで筋肉量を増やしたい方は、ホエイプロテインが最も適しているということです。
カゼインプロテイン
カゼインプロテインはホエイプロテインと同じように牛乳を原料にして作られたプロテインで、吸収が緩やかという特徴があります。
トレーニング後などの素早くタンパク質を吸収したいときには不向きなカゼインプロテインですが、寝る前や休息日などに利用することで筋肉維持に効果を発揮します。
睡眠中でも筋肉は合成と分解を繰り返していますが、分解に大きく傾いてしまう傾向にあります。
それを防ぐために有効なのがカゼインプロテインで、摂取すると血中アミノ酸濃度を6~8時間程度高めることができます。
ただし注意点もあり、タンパク質合成を促進させるためには30g~40g程度のカゼインプロテインを就寝前に摂る必要があるということ。
20g程度のプロテインの場合、筋タンパク質合成を促進させる優位な傾向はみられません。
カゼインプロテインを活用して筋肉を維持することができれば筋肉を効率よく鍛えられるだけでなく、基礎代謝量を増やしダイエット効率を高めることもできます。
ただ、カゼインプロテインはホヘイプロテインに比べてBCAA(筋肉の成長に欠かせないアミノ酸)の量が少ないので、筋トレ後にはやはりホヘイプロテインの利用が最適です。
ソイプロテインの特徴
ソイプロテインは大豆を原料にして作られるプロテインで、吸収のスピードが緩やかで脂質が少ないというのが特徴です。
吸収が緩やかな場合満腹感が持続しやすいので、ダイエットに最適なプロテインでもあります。
ソイプロテインには、女性ホルモンに近い性質をもつイソフラボンやレシチンも含まれているため、特に女性の利用が多いのも特徴です。
他にも、ソイプロテインは植物性のプロテインのため、牛乳でお腹を下してしまう乳糖不耐症の方やベジタリアンの方でも利用できるというメリットもあります。
しかし、タンパク質合成を促進させるのに欠かせないロイシンの含有量がホエイプロテインよりも劣るため、筋トレを行う人の場合はホエイプロテインがおすすめです。
プロテインにはどんな効果がある?
筋肉の成長をサポート
「プロテインは筋トレ後に飲む!」ということがよく言われていますが、これはプロテインと筋肉の成長に大きく関係しています。
筋トレ後にプロテインを飲むことで短期間の筋肉合成作用が高まるため、筋力アップや筋肥大を効率よく進めていくことができます。
特に短期間に限って効果を発揮するのがホエイプロテインで、1~2時間後に合成作用がピークに達することがわかっています。
また、長期的なプロテインの効果に関しては、プロテインの種類に関係なく長期的に筋肉の成長を促します。
しかし、筋肉の成長には筋肉を刺激する必要があるため、トレーニングが欠かせません。
なので、プロテインを飲めば筋肉が成長するということではなく、筋トレ+プロテインが大切になります。
肌質や髪質の改善をサポート
肌のハリやツヤに欠かせないコラーゲンは、タンパク質を材料にしています。
タンパク質が不足すればその分コラーゲンも不足してしまい、肌トラブルの原因になります。
また、髪の毛の場合もタンパク質が不足すれば髪の毛の構成成分であるケラチンが不足することになり、枝毛や薄毛の原因になる可能性も否定できません。
そのため、タンパク質の不足は肌質や髪質の敵であり、効率よくタンパク質を摂取できるプロテインは美容面においても活用できます。
タンパク質不足の改善
タンパク質の不足は筋肉のみならず、肌質や髪質にも影響を与えます。
筋肉においては材料となるタンパク質が不足することで、筋トレをしても筋肉が付かない状態に。
また、筋肉量の低下は基礎代謝の低下を招くだけでなく、メリハリのないカラダの原因にもなります。
なぜ筋肉量が低下することでカラダにメリハリがなくなってしまうのかというと、筋肉と脂肪の密度に違いがあるからです。
筋肉の密度は高いため、同じ重さでも体脂肪の多いカラダよりも引き締まって見えます。
タンパク質の不足を防ぐためには普段の食事でタンパク質の摂取を増やす必要もありますが、中にはたくさんお肉を食べるのがキツイという方もいます。
そんな方にとってプロテインはとても効果的で、ドリンクタイプなので摂取が手軽という大きなメリットがあります。
また、高齢者の場合はタンパク質の不足によって筋肉量が減少し、筋力や身体機能が低下するサルコペニアが起こる可能性もあるので、普段の食事に合わせてプロテインを活用するのもおすすめです。
プロテインはこのタイミングで飲もう!
プロテインの飲み方には、朝・昼・間食・夜・運動前・運動後・就寝前の5つのタイミングがあります。
どのタイミングでプロテインを飲むかはひとりひとりの生活によって異なり、飲むプロテインの種類で分けることもできます。
しかし、初めのうちは飲みやすいプロテインを運動後や忙しい朝、寝る前に飲むのがおすすめです。
運動後は筋肉の栄養が不足した状態になるので、このタイミングでプロテインを飲むことで効果を最大限に引き出すことができます。
また、寝る前や朝に飲むことで、寝ている最中の筋肉分解を防いだり、起きたときの枯渇したカラダに栄養を補給することが可能です。
プロテインの種類に関してもそこまでこだわる必要はなく、1食20g程度のタンパク質が摂取できれば十分と言えます。
プロテインに副作用はあるのか
プロテインを飲むにあたって気になるのが、「副作用」について。
副作用は基本的に薬において使われる言葉であり、健康食品であるプロテインにおいてはあまり適切な表現ではありません。
ただ、プロテインを飲むことでカラダに異変が生じる可能性もあります。
それは、腎臓や肝臓に疾患を抱えている人の場合です。
タンパク質を代謝するために肝臓や腎臓を活用しますが、疾患がある場合は内臓を酷使してしまう可能性があり、病気を悪化させてしまう可能性を否定することができません。
また、乳糖不耐症の人が乳糖を含むホエイプロテインやカゼインプロテインを摂取すると下痢を引き起こしてしまう可能性や高タンパクな食事による腸内環境の悪化を招く可能性もあります。
しかし一方で、健康体の人の場合はプロテインを飲むことでカラダに異常をきたすという報告はなく、それを証明する研究結果もないのが現状。
そのため、「プロテインに記載されている各メーカーの容量を守れば安心して利用できる」というのが、現在の考え方になります。
タンパク質が不足するとどうなる?
タンパク質は筋肉のみならず、内臓や骨、肌、髪の毛に至るまであらゆるカラダの部位の材料となります。
肌の場合は美肌に欠かせないコラーゲンの不足を、髪の毛の場合はケラチンの不足を、筋肉の場合は筋量の低下を招きます。
また、これらの外側の部分以外にも、タンパク質不足は内側の神経伝達物質にも影響を与えることがあります。
神経伝達物質はドーパミンやノルアドレナリン、セロトニンなどの脳内から発せられるホルモンで、これらはタンパク質を材料にしています。
最近、「集中力が続かない」「記憶力が低下してきている」と感じる場合は、タンパク質が不足している可能性もあります。
タンパク質不足を解消するためには、普段の食事で高タンパクなお肉や魚を食べるのはもちろんのこと、手軽に飲めるプロテインを活用するのもおすすめです。
プロテインは女性が飲んでもいいの?
「プロテインはマッチョが飲むもの!」という風潮がありますが、女性がプロテインを飲んでも心配ありません。
とうのも、プロテインはお肉や魚と同じタンパク質なので、筋肉や肌、髪の毛、爪などの様々な部分の構成材料になり、人間に必要な栄養素を効率よく補うためのものです。
むしろタンパク質が不足してしまうと、肌や髪質のトラブルや筋肉の減少などの悪影響をきたす可能性があります。
また、女性の場合はダイエットのために野菜中心のヘルシーな食生活をしている方が多く、タンパク質が足りていないということも少なくありません。
プロテインを利用することでカロリーを抑えながらタンパク質を補うことができ、栄養のバランスの整った食事にしていくことができます。
ダイエット中のタンパク質の摂取量の目安は体重×1~2g程度で、筋肉を維持するときでも最低体重×1gのタンパク質の摂取が必要になります。
タンパク質にはダイエットにおいてとても魅力的な栄養素で、タンパク質摂取カロリーの約30%をエネルギーとして活用します。
つまり、高タンパク質な食事はダイエットにおいて効果的で、プロテインを活用すればタンパク質を摂りやすくできるということです。
プロテインは太るってホント?
「プロテインは太る!」というのを聞いたことがある方は少なくないはず。
では、実際にプロテインを飲むことで太るのでしょうか?
結論から言うと「飲みすぎれば太る」というのが答えです。
プロテインに限らずどのような食品に関しても同じですが、1日で消費できるカロリー以上のカロリーをとれば残りのものがカラダに蓄積されて太ってしまいます。
つまり、そもそもの原因はプロテインにあるのではなく、食べすぎに原因があるということ。
プロテインは飲むことで簡単に筋肉がついたり、体脂肪が落ちて痩せたりするようなものではないので、あくまでも普段の食事の補助として利用するのが適切です。
しかし、プロテインを利用することで筋トレの効率を高めたり、ダイエットのサポートをしてくれるのは事実。
なので、利用する際には普段の食事にも目を配りながら利用するようにしましょう。
プロテインはこうやって選ぼう!
プロテインはあらゆるメーカーから販売されているため、どれを選べばいいのか迷ってしまうもの。
プロテイン選びで大切なのは、どのような「目的」でプロテインを利用するのかをはっきりさせることです。
筋肉を増やしたい、ダイエットをしたい、体型をキープしたいなど、目的は様々。
プロテインにはそれぞれの目的に合ったものがあり、筋肉を増やす場合にはホエイプロテイン、ダイエットならホエイプロテインorソイプロテイン、体型の維持ならソイプロテインorカゼインプロテインがおすすめです。
また、プロテインを飲み続ける場合にはコスト面も重要。
基本的にプロテインの中身に大きな違いはないため、大手メーカーのプロテインならどれを選んでも問題ありません。
コスト的には、タンパク質1gあたりの価格を重視することで低価格のプロテインを見つけることができます。
プロテインを飲むときはシェイカーを使おう!
プロテインを飲むときに欠かせないのが、「プロテインシェイカー」です。
プロテインシェイカーは電動のものから大容量のもの、持ち運びに便利なものなど、様々なものがあります。
電動のものを利用すればプロテインのダマを防止することができ、大容量のものを利用すればプロテインだけでなく他のサプリメントの利用もでき、コンパクトサイズなら外への持ち運びも便利にすることができます。
このように、自分がどのようなシーンでプロテインを活用するのかでプロテインシェイカーの選び方は変わってきます。
以下の記事では、それぞれに合ったシーンで活用できるプロテインシェイカーを紹介しているのでぜひ参考にしてください。
プロテインダイエットは実際どうなの?
「プロテインダイエットは実際に効果があるのか?」「プロテインダイエットの正しい方法とは?」と、疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。
プロテインダイエットは食事の一部をプロテインに置き換えるダイエット方法で、手軽に実践できるのがメリットです。
しかし、プロテインダイエットは正しい方法で行わないと栄養に偏りが出てしまい、かえって不健康になる場合もあります。
そこで重要になるのが、置き換えるものをしっかりと考えること。
例えば、普段の食事で余分となるお菓子屋アイスクリーム、揚げ物などをプロテインに置き換えることで、カロリーを大幅に減らし、ダイエットをスムーズに進めることができます。
ダイエットの基本は「摂取カロリー<消費カロリー」なので、これを意識することがダイエット成功のカギです。
まとめ
今回はプロテインの基礎知識について解説しました。
プロテインはあらゆる場面で利用でき、筋肉の維持のみならず健康維持にも活用することができます。
今までプロテインを活用してこなかった方はこの機会にぜひ試してみてください!