筋トレやダイエット、タンパク質不足解消など、あらゆる面で活躍するプロテイン。
しかし、「どのタイミングで飲めばいいのか?」「1日に何回飲んでもいいのか?」など、プロテインの飲み方について疑問に思うことも少なくないはず。
そこで今回は、プロテインの飲み方について徹底解説していきます。
これからプロテインを飲もうと思っている方、飲み方があっているのかわからない方はぜひ参考にしてください。
プロテインの飲み方とは
プロテインを飲んで筋力アップを目指す方や筋肥大を目指す方、ダイエットをして理想的なカラダになりたい方など、幅広い用途で利用できるプロテイン。
そんなプロテインは「目的」によって飲み方や飲むタイミングが異なっています。
しかし、多くの人は「とりあえず飲めばいいんじゃない?」と、特に何も考えずに飲んでいることだと思います。
では、正しいプロテインの飲み方とはどのような方法なのでしょうか?
まずは、タイミングによって異なるプロテインの効果について解説します。
トレーニング後の「ゴールデンタイム」
よく耳にするトレーニング後の「ゴールデンタイム」
このゴールデンタイムは筋タンパク質合成が最も高まると言われているトレーニング後1~2時間に合わせて、トレーニング後の30分~1時間の間にプロテインを摂取することを指しています。
この間にタンパク質を摂取することで、筋肥大や筋力アップを効率よく行うことができます。
しかし、食事からタンパク質を摂った場合、吸収に2~6時間程度必要となるので、1~2時間程度で吸収されるプロテインが最適だということです。
プロテインを飲むタイミングは遅くとも1時間以内、できれば30分以内に飲むようにすると、筋タンパク質合成作用の高まるゴールデンタイムに合わせることができます。
就寝前
就寝前にどうしてプロテインが必要になるのか?
それは就寝中に筋タンパク質合成は刺激されず、分解が優位に立ってしまうためです。
せっかくトレーニングで筋肉に刺激を与えても、分解が優位に立ってしまえば理想的なカラダ作りのためには時間がかかってしまいます。
そこで、分解が優位に立ってしまう前にプロテインを飲むことで分解を抑制し、合成を高めることができるのが就寝前のプロテインということ。
就寝前にプロテインを飲む場合は、30~40g程度のプロテイン摂取とカゼインプロテインの利用が必要です。
寝ている間は消化や吸収を行う腸内の働きは活発ではないので、高容量とも言えるタンパク質の摂取が必要となります。
また、カゼインプロテインを活用する必要がある理由としては、カゼインプロテインを利用すれば数時間にわたって血中アミノ酸濃度を高めることができるからです。
カゼインプロテインの吸収には6~8時間程度かかると言われ、ちょうど一般的な睡眠時間と合致します。
就寝前のプロテイン利用に関しては長期的な効果も示唆されているので、短期・長期両方の効果を実感できるのでぜひ生活に取り入れたい利用法です。
起床後
先ほど寝ている間に筋タンパク質合成は分解に偏ってしまうと説明したように、起床後はカラダの栄養が枯渇している状態。
就寝前にプロテインを飲んだ場合でも、朝には血中アミノ酸濃度は低下しています。
そのため、このタイミングでプロテインを飲むことで素早いアミノ酸チャージが可能となり、筋肉の分解抑制に効果的になります。
また、忙しい朝食時はどうしてもタンパク質が不足してしまいがちなので、ここでタンパク質をプロテインから摂ることで食事バランスも整えることができます。
食前
食前にプロテインを飲むメリットとして「満腹感が感じやすくなるということ」「栄養バランスを整えること」の2つのメリットがあります。
食前のプロテインに加え、食物繊維を先に食べるようにするとより満腹感を感じやすくなり、ダイエットにも効果的です。
また、プロテインを食事と摂取することで脂肪量が減少しやすいという研究結果もあり、ダイエットに活用できる可能性もあります。
この研究に関してはより具体的な研究が待たれているので、あくまでも「可能性」ということです。
栄養バランスに関して、ダイエット中は食事に偏りが出やすくなります。
このように一見健康そうな食事でもタンパク質が不足しており、筋肉量の低下の原因に。
こうなってしまうと基礎代謝の低下だけでなく、筋肉量を増やすという観点でもマイナスです。
同じ体重の人で筋肉量の多い人と体脂肪の多い人の見た目は大きく異なり、筋肉量が多い人ほど引き締まって見えます。
引き締まった体型にするためにもタンパク質は不可欠であり、食事バランスの乱れは避ける必要があります。
食後
食後には血糖値が上昇し、食事で摂取した栄養が吸収されやすくなります。
ただ、インスリンに関してはマイナスの印象を持っている方が多く、とにかくインスリンが出ないようにしようという考えが広まっています。
しかし、インスリンにはタンパク質の吸収を高める他、筋タンパク質合成を促進し、分解を抑制する効果もあります。
筋肉量を増やしたい増量期や体重を増やしたい人にとって食後のプロテインはメリットが多く、効率よくタンパク質を筋肉に吸収させることができます。
ただ、急激にインスリンの分泌量を高めてしまうと脂肪の蓄積も増えてしまうので、そこは注意が必要です。
間食
食事でタンパク質を摂取した後、体内でアミノ酸に分解されて筋肉などのカラダのあらゆるところに運ばれていきます。
しかし、血中アミノ酸濃度は一定の値まで上昇した後、下降。
そのため、一度にたくさんのタンパク質を摂取しても血中アミノ酸濃度をは頭打ちになってしまい、余分なエネルギーとなって脂肪として蓄えられてしまいます。
1度の食事で吸収できるタンパク質の量は30~40gと言われており、これ以上摂取しても筋肉の材料とはなりません。
そこで重要になるのが、プロテインを活用した間食です。
食事でも行うことができますが、手軽に摂れて無駄のないプロテインの方が摂取しやすいと言えます。
こまめにタンパク質を摂取することによって筋肉の分解をできる限り防ぐことで、筋肥大を効率よく進められます。
目的に合ったプロテインの飲み方とは
筋肥大や筋力アップをしたい方
筋力アップや筋肥大をしたい人方は、トレーニング後と就寝前、起床後に飲むようにしましょう。
筋肥大や筋力アップをする人は、筋タンパク質合成を分解よりも多くすることが大切。
そのため、トレーニング後の筋タンパク質合成作用の増加時、就寝中の分解抑制、起床後の分解抑制は最適なタイミングとなります。
また、「トレーニングをしない日はどうすればいいのか?」ということですが、就寝前と起床後のタイミングは変えずに、昼食と夕食の間補食として摂取することで血中アミノ酸濃度を下がるのを防ぐことができます。
飲むプロテインに関しては、就寝前がカゼインプロテイン、トレーニング後と起床後はホエイプロテイン、休息日はカゼインプロテインがおすすめです。
それぞれ吸収の時間に違いがあるので、その違いを上手に活用するようにしましょう。
ここで疑問に思うのが「ソイプロテインではダメなのか?」ということですが、筋肥大や筋力アップにはBCAAの豊富なホエイプロテインが最適となり、休息日はカゼインプロテインとソイプロテインにはさほど大きな違いはありません。
ただし、就寝前に関してはカゼインプロテインを摂ることが推奨されているので、カゼインプロテインを活用するようにしましょう。
飲み方に関しては、無駄な脂肪をつけないことを考えると水やコーヒーなどのカロリーがないもので割るのがおすすめですが、食事で栄養が不足している場合には牛乳で割るのも問題ありません。
ダイエット中の人
ダイエット中の人は、就寝前、起床後、食前にプロテインを活用しましょう。
ダイエット中の人や減量中の人にとって大切なのが現在の筋量をできる限り維持しながら体重を落していくこと。
そのため、就寝中の分解を防ぐ就寝前、起床後の栄養枯渇時、食前の空腹時は最適なタイミングになります。
「トレーニングをしている人の場合はどうなのか?」ということですが、トレーニング後のプロテインはとても大切です。
なので、トレーニングをしている人は就寝前、起床後、トレーニング後に摂取することで、プロテインを最大限に活用していくことができます。
飲むプロテインに関しては、就寝前、食前はカゼインプロテインorソイプロテイン、起床後、トレーニング後はホエイプロテインがおすすめです。
ソイプロテインを活用するメリットは、腹持ちがいいこと、イソフラボンが含まれていることです。
ダイエット中の女性には特におすすめで、プロテインによっては美容成分をプラスしたものも販売されています。
ダイエット中や減量中のプロテインの飲み方は、基本的に水やコーヒーで割って飲むのが最適です。
コーヒーに含まれているカフェインには、ホルモン感受性リパーゼの働きを活発にさせる働きがあります。
ホルモン感受性リパーゼは脂肪分解酵素の働きを活発にさせるため、脂肪の分解を促すことが可能です。
ただ、水ではなく牛乳でプロテインを飲みたいという方もいると思うので、そのような方は他の食事内容を調整すれば牛乳で飲んでも問題はありません。
増量中の人
増量中の人は、トレーニング後、間食、就寝前、起床後に飲むようにしましょう。
増量で大切なのは摂取カロリーを消費カロリーよりも多くし、なるべく脂肪をたくさん付けずに増量していくこと。
増量において筋肉量を増やすのは大切なので、トレーニングは必須です。
トレーニング後の筋タンパク質合成作用増加時、補食の血中アミノ酸濃度低下時、就寝中の血中アミノ酸濃度低下予防の就寝前、栄養が枯渇する起床後が増量期の最適なプロテインを飲むタイミング。
飲むプロテインに関してはトレーニング後と起床後はホエイプロテインで、間食と就寝前はカゼインプロテインorソイプロテインがおすすめです。
これは素早く吸収したいときはホエイプロテイン、吸収を緩やかにしたいときはカゼインプロテインとソイプロテインが最適なため。
また、より吸収を緩やかにしたい場合は牛乳でプロテインを割ることで吸収をより緩やかにすることができます。
増量中のプロテインの飲み方として、トレーニング後に牛乳で割って飲むのがおすすめです。
牛乳にはタンパク質や脂質、糖質以外にもミネラルやビタミンもバランスよく含まれているだけでなく、筋タンパク質合成の促進や筋肉痛の軽減・回復などにも効果的です。
中には牛乳の脂質が気になり低脂肪乳などに変える方もいますが、先ほどの述べた効果を得るには全乳が最適です。
補食や就寝前には素早い吸収よりも長時間の吸収に焦点をあてるので、トレーニング後と同じように牛乳を活用しましょう。
起床後に関しては、素早く吸収される水で割ったり、カフェインで目覚めをよくするコーヒーで割るのが最適。
補食をしない場合には食後のプロテインもおすすめで、食後のインスリン分泌によってタンパク質の吸収効率が高まります。
プロテインは割材でアレンジしよう
プロテインの飲み方で一般的なのが水で割ること。
しかし、牛乳やコーヒーなどで割ることでよりおいしく飲めたり異なる効果を感じることができます。
水で割ることのメリットは、カロリーを抑え、吸収効率も高いことです。
しかし、味わい的にあさっりすることが多く、プロテインによっては独特な風味を感じやすいというデメリットもあります。
これに対して牛乳は比較的美味しくプロテインを飲むことができ、独特な風味を感じにくいという特徴があります。
また、トレーニング後にプロテインを牛乳で割ることで筋タンパク質合成の促進や筋疲労の軽減する効果も。
しかし、牛乳の場合は他の栄養素である糖質や脂質も一緒に摂ることになるのでカロリーが高くなりがちです。
なので、ダイエット中の方などは他の食事とのバランスを考えながら利用することが大切です。
コーヒーでプロテインを飲むことでカフェインを一緒に摂取でき、トレーニング効率の向上や脂肪分解を促進することができます。
それぞれにメリットとデメリットがあるので、自分の目的に合わせて割材を選ぶようにしましょう!
プロテインは1日にどれくらい飲んでもいいのか
プロテインを飲むにあたって必要になるのが、1日のタンパク質摂取量の目安です。
このようにタンパク質の摂取量の目安があり、それぞれの目的に合わせて活用していきます。
もちろんこの量すべてをプロテインで摂取するのではなく、食事+プロテインの合計数値です。
あくまでも目安なので、トレーニングをハードに行う人はタンパク質をより多く摂取する必要があります。
体重70kgの人がプロテインを活用する場合、朝、トレーニング後に20~30g、寝る前に30~40gのプロテインを摂取するのが最適です。
ただ、1度にたくさんの量を摂っても吸収には限界があるので、一回で摂る量は多くても40g以内に収めるようにするのがおすすめな摂取量になります。
プロテインシェイカーを活用しよう
プロテインを飲むときに欠かせないのが、プロテインシェイカー。
シェイカーによって特徴は様々で、大容量のものやコンパクトなもの、電動のものなど目的に合わせて選ぶことができます。
ただ、プロテインシェイカーは種類が多く、どれを選べばいいのか迷ってしまうもの。
プロテインシェイカーを選ぶときのポイントは、「どのようなシーンで活用するか」を考えること。
例えば、家の中でのみ利用する場合は容量は気にせず低価格なものを、ジムで利用する場合には大容量で他のドリンクにも活用できるものを、プロテインのダマが気になる方は電動シェイカーを活用するのがおすすめです。
プロテインシェイカーの一般的なものは500mlで1,000円程度で、電動シェイカーになると3,000円程度になります。
高いシェイカーほど機能面も優れていますが、特に気にならないという方は通常のプロテインシェイカーで問題ありません。
Blender Bottle(ブレンダーボトル)
プロテインのみならずワークドリンクにも使える大容量。
ほとんどの車のホルダーに収まるサイズ感。
飲み口に触れることなく開けられるスパウトガードも付いています。
プロテインは溶けにくくダマになりやすい特徴がありますが、ブレンダーボールを入れてシェイクすることでダマを最小限にすることができます。
まとめ
今回はプロテインの飲み方について解説しました。
プロテインの飲み方を間違ってしまうと、思ったような効果が得られていないということも少なくありません。
プロテインには利用者ひとりひとりに合ったタイミングや飲み方があるので、自分に合ったものをいろいろ試しながら見つけてくださいね。