三大栄養素のひとつである脂質を制限するダイエット方法である脂質制限(ローファット)ダイエット。
しかし、「脂質制限のやり方がわからない」「脂質制限のメリットを知りたい」など、疑問に思うことも多いはず。
そこで今回は、脂質制限(ローファット)ダイエットのやり方やメリットについて解説していきます。
ダイエットで理想的なカラダを手に入れたい方、ダイエット方法で迷っている方はぜひ参考にしてください。
脂質制限(ローファット)ダイエットのメリットとは?
脂質制限は三大栄養素である脂質の摂取量を制限し、カロリー調整を行うことで脂肪を減らしていくダイエット方法です。
そんな脂質制限のメリットは、以下の3つです。
- 筋肉が落ちにくい
- 筋力が落ちにくい
- コストがそこまでかからない
脂質制限で筋肉が落ちにくい理由
脂質制限ダイエットを取り入れる大きなメリットは、筋肉が落ちにくいこと。
筋肉は基本的に糖質をエネルギー源としているため、糖質を積極的に食べることができる脂質制限では筋肉が分解しにくい状態を作ることができます。
反対に糖質の摂取が限られてしまう糖質制限ダイエットでは筋肉のエネルギーとなる糖質が不足してしまい、それを補うために筋肉を分解してエネルギーに変えてしまいます。
ダイエットでは筋肉量をできる限り維持しながら脂肪を減らすことが重要であるため、時間は多少かかるものの比較的綺麗に痩せることができます。
先ほど脂質制限ダイエットは痩せるのに時間がかかると言いましたが、その理由は脂質を極限まで制限できないことと糖質を摂取することで血糖値が上昇してしまうことが理由です。
極限まで脂質を制限してしまうと細胞やホルモン、血液などの構成材料が不足してしまうため、脂質量を極限まで減らすことができず、脂肪を減らすまで時間を要します。
また、糖質は過剰に摂取してしまうと余分な分は体脂肪として蓄積されるため、糖質の摂取タイミングや摂取量を間違うと痩せにくくなるというデメリットもあります。
脂質制限で筋力が落ちにくい理由
糖質は筋肉のエネルギー源であることは先ほど述べましたが、脂質制限では糖質を摂取することできるので筋力をできる限り維持したままダイエットを行うことができます。
筋力を維持したままダイエットができるメリットは、筋トレの効率を落とすことなく痩せられることです。
筋量をできる限り維持したまま痩せることで、メリハリのあるカラダを作ることができます。
筋肉が維持されることで基礎代謝の向上も期待でき、よりダイエットをスムーズに進めることが可能。
また、筋肉力が維持されて筋肉量ができるかぎり保たれることでリバウンドしにくいカラダを作ることができます。
脂質制限はそこまでコストがかからない理由
脂質制限では基本的に糖質を多く含む米やオートミールなどの主食や低脂質で高タンパクな鶏肉がメインの食材となるので、比較的低価格でのダイエットが可能になります。
特にオートミールと鶏むね肉は脂質制限では欠かすことができない食材で、栄養面も非常に優れているというメリットがあります。
オートミールの場合は食物繊維をはじめとしてビタミンやミネラルも豊富で、栄養の偏りが出やすいダイエット中でもバランスを整えることができます。
鶏むね肉は牛肉や豚肉の半分近い価格で購入できるだけでなく、脂質量も大幅に抑えることが可能。
鶏むね肉の皮を除けば脂質量を限りなく0に近づけられるだけでなく、筋肉の維持に欠かせないタンパク質を効率よく摂取することができます。
脂質制限(ローファット)ダイエットのやり方
脂質制限(ローファット)ダイエットで重要なことは、一定した脂質量とカロリー管理を徹底すること。
脂質の摂取量が増えれば当然痩せにくくなり、カロリーが1日の消費カロリーを上回れば痩せることはできません。
そこでまず最初にやることは、1日の摂取カロリーを決めること。
1日の摂取カロリーは、活動代謝量をもとめてそれに0.8をかけることで目安を算出することが可能です。
活動代謝量はこちらのサイトで手軽に計算することできるので、自分で計算するのが面倒な方はぜひ活用してください。
活動代謝量が2,500kcalの方の場合、1日の摂取カロリーは2,00kcalになり、体重を1kg落すのに必要なカロリーは7,200kcalなので1ヵ月で約2kg体重を落すことができます。
1日の摂取カロリーを算出したら続いてはPFCバランスを定めていきます。
PFCバランスとはタンパク質・脂質・糖質のバランスのことで、これを活用することで食事量が決められます。
脂質制限中のPFCバランスの目安は以下の通りです。
- タンパク質 30%
- 脂質 10~20%
- 糖質 50~60%
この数値を活用して摂取カロリーが2,000kcalの方に当てはめると、以下のようになります。
- タンパク質 150g
- 脂質 22~44g
- 糖質 250~300g
※タンパク質1g=4kcal、脂質1g=9kcal、糖質1g=4kcal
このようにして摂取カロリーをもとに食事量を決めてダイエットを行うのが、脂質制限(ローファット)ダイエットです。
脂質制限(ローファット)ダイエットを成功させるポイント
調理油に注意しよう
脂質制限で気をつけたいのが、ついつい意識せずに使ってしまいがちな調理油。
脂質制限では調理油を使わない調理法である茹でる・煮る・蒸す・レンジ調理・グリル調理が基本で、食材から脂質を摂るようにします。
ただ、まったく調理油を使用しないのは不可能なので、そういった場合はサラダ油ではなくオリーブオイルを活用するのがおすすめです。
サラダ油は日常的に摂取することの多いオメガ6系の油に分類されているため、調理油で使用すると過剰摂取になりやすくなります。
一方でオリーブオイルはオメガ9系の油に分類されており、熱に強く調理油として利用できるだけでなくオメガ6系の油の摂りすぎを防ぐことができます。
また、オリーブオイルの主成分であるオレイン酸には悪玉コレステロールを減らす働きがあるので、血流の改善や生活習慣病の予防を行うことも可能です。
調味料に注意しよう
脂質制限では、意外と見落としがちな調味料の脂質にも注意する必要があります。
特にドレッシングには多くの脂質が含まれているため、脂質制限中はできる限り避けるのが無難です。
ただ、ドレッシングにはノンオイルタイプがあるので、それを活用することでカロリーを大幅に減らすことができます。
他の調味料で避けたいのはマヨネーズで、油と卵でできているため脂質制限中は避ける必要があります。
焼肉のタレやケチャップなど、その他の調味料に関してはそこまで多くの脂質が含まれていないので、基本的には利用することが可能です。
主食の選び方に注意しよう
脂質制限では主食をしっかりと摂ることができますが、どの主食を選ぶのかも重要です。
というのも、主食は糖質を多く含んでいるため血糖値が上昇しやすく、食べるものによっては急激に血糖値を上昇させてしまい、インスリンの過剰分泌を促す可能性があります。
そこで意識したいのがGI(グリセミックインデックス)値で、GI値が低い食品ほど血糖値の上昇が緩やかでインスリンの過剰分泌を避けることができます。
GI値が高い主食には日本人に欠かせない白米や食パン、そうめん、うどん、パスタなどがあり、食べる場合には注意が必要。
一方でGI値の低い主食には、玄米やオートミール、そば、全粒粉パン、全粒粉パスタなどがあり、比較的血糖値の上昇が緩やかなのでダイエット中にはGI値の低い主食に置き換えるのが最適です。
まとめ
今回は脂質制限(ローファット)ダイエットのやり方やメリットについて解説しました。
脂質制限は比較的時間のかかるダイエット方法ですが、リバウンドがしにくいダイエット方法でもあります。
脂質量と摂取カロリーに気をつけるだけなので、誰でも簡単に実践することができます。