短期間で筋肉を取り戻せるマッスルメモリーとは?メカニズムや期間について解説




トレーニングを続けてきたけど忙しくてできなくなったケガや病気で長期的にできなくなったなど、様々な理由で次のトレーニングまで時間が空いてしまうことがあります。

そこで心配になるのが、筋肉量の減少と筋力の低下。

せっかく時間をかけて鍛え上げた筋肉を失ってしまうのは、なかなかショックが大きいものです。

しかし、筋肉にはマッスルメモリーというものがあり、長期的に鍛えた筋肉は簡単にはなくなりません。

今回はそんな筋肉の記憶であるマッスルメモリーについて解説していきます。

マッスルメモリーは筋肉の記憶?

 

マッスルメモリーという言葉を見てわかるように、筋肉には記憶のようなものがあります。

そのため、長期的に鍛えた筋肉は短期間で失わないだけでなく、筋量が落ちてもトレーニングを再開すれば元の状態まで短期間で戻すことが可能になります。

マッスルメモリーのメカニズムについては脳の神経細胞との関係やDNAとの関係など、様々な根拠がありますが、最も有力視されているのが筋肉の細胞核との関係です。

 

筋肥大は微細な損傷を受けた筋線維の再生や新たな筋線維の構築以外に、筋線維の細胞核自体の増加によっても引き起こされます。

マッスルメモリーにおいては筋線維の細胞核の増加が大きく関係しており、一度増えた細胞核はなくなりにくいという性質があります。

つまり、トレーニングによって細胞核を増やすことで、長期間の休息期間を設けても元の筋肉量や筋力に戻すことは比較的簡単であるということです。

 

実際にマッスルメモリーを証明した論文もあり、それが2018年のイギリス大学の研究です。

筋トレ未経験者の男性8人を集めて週3回のトレーニングを7週間行ってもらい、その後7週間の休息日を設けました。

その結果、筋肥大は起こったものの、休息期間で筋肉は元の筋量に戻ってしまうという結果に。

ただ、その後再び7週間のトレーニングを行ったところ、以前よりも筋肥大させることができたのです。

これによってマッスルメモリーがあることが証明され、一定の休息期間を設けても筋肉は早く元の状態に戻り、以前よりも筋肥大することが裏付けられました。



細胞核を増やすにはどの程度の期間が必要になる?

 

細胞核を増やすことがマッスルメモリーにおいて重要ですが、どの程度の期間で細胞核は増えるのかと疑問に思う方も多いと思います。

一般的には3か月や1年など様々な期間が言われていますが、その具体的な期間を示すものはありません

そのため、何週間で細胞核が増えると断定することは難しいですが、先ほどの論文にあるように週3回のトレーニングを7週間以上続けることでマッスルメモリーの存在が証明されたことから、最低でもこの期間はトレーニングをする必要があると考えられます。

 

また、細胞核を増やすためにはトレーニングの期間だけでなく、正しい方法で行うことも重要です。

間違ったトレーニング方法を行っていた場合、しっかりと筋肉に刺激を与えられず細胞核を増やすことが難しくなるだけでなく、関節を痛めるなどのケガの原因にもなります。

結局のところ、細胞核を増やしてマッスルメモリーの恩恵を受けるためには、1年以上の長期的なトレーニングに加え、正しい方法でトレーニングを行うことが細胞核を増やすポイントであると言えます。



マッスルメモリーの期間は?

 

長期的にトレーニングを行っていると中断期間を設けることに罪悪感を感じますが、マッスルメモリーによって細胞核が維持される期間は10年前後と言われているため特に心配する必要はありません。

この10年前後という期間内であれば細胞核は減少しにくく、ほとんどが維持された状態です。

そのため、この期間内にトレーニングを再開することで短期間で元の筋肉に戻すことができます。

 

しかしここで疑問に思うのが、その期間を過ぎてしまうと筋肉は元には戻らないのかということ。

もちろん、加齢によって筋線維の減少は避けられないものの、この期間を過ぎてから一気に細胞核が失われることはありません

細胞核は徐々に減少していくためこの期間を過ぎても十分に元の筋肉を取り戻すことが可能であり、年齢を重ねてからでも筋肥大や筋力アップをすることは十分に可能です。



短期的な休息でトレーニング効率が上がる?

 

マッスルメモリーは長期的な休息における筋肉の恩恵ですが、短期的な休息の場合はどうなのか。

高負荷のトレーニングを継続していると疲労が慢性化してしまい、トレーニング効率が低下してしまうことは少なくありません。

そのような状態でトレーニングをしているとケガを引き起こすリスクが高まるため避けるべきですが、そこで休息日を設けようとするもののなかなか休めないのがトレーニーの心理です。

 

しかし、現在までの研究では10日間の休息を取ることで筋力は低下していくものの、1週間程度であれば特に問題はないと考えられています。

それだけでなく、休みなく毎週トレーニングを行っていた人と休みを挟みながらトレーニングを行っていた人とでは、結果的に筋力に大きな差は見られなかったという研究もあります。

つまり、適度な休息は筋肉においてとても重要であり、無理にトレーニングを行うことのリスクの方が大きいと言えます。



まとめ

今回はマッスルメモリーについて解説しました。

やむを得ずトレーニングを休む必要があった場合、マッスルメモリーの恩恵はとても大きいと言えます。

また、若い時にトレーニングを励んでいたものの、年齢を重ねてからトレーニングを行うことに抵抗がある方にとっても嬉しいものと言えます。

普段からトレーニングに励んでいる方は、疲労が蓄積した状態のときには休息を取ってさらなるトレーニング効率の向上を目指してください。