筋トレをすることで筋肉がつくことは誰もが知っていることですが、「筋肉はどのようにしてつくのか?」「どのような経緯を辿っているのか?」について知っている方は少ないのではないでしょうか?
そこで今回は筋肉が発達するメカニズムについて紹介していきます。
これから筋トレを始めようと思っている方、筋肉についてより詳しく知りたいという方はぜひ参考にしてください。
筋肉がつくメカニズムとは?
筋肉がつくメカニズムには筋線維再生系とタンパク質代謝系の2つがあります。
筋線維再生系はトレーニングによって負荷を与えることで筋線維に微細な損傷が生まれ、この傷ついた筋線維を再生させることを言います。
一方でタンパク質代謝系はタンパク質の合成と分解のことを言い、筋トレを行うことで合成が活性化されます。
どちらにも共通しているのが、筋トレによって活性化されること。
つまり、筋肉を付けるためには筋トレが不可欠であり、筋線維再生系とタンパク質代謝系のどちらも活性化させることで筋肉がつくということです。
筋線維再生系のメカニズム
筋線維再生系のカギを握っているのは、筋サテライト細胞と言われる幹細胞です。
この筋サテライト細胞は損傷した筋線維の修復や新たな核を作り出すなどの働きがあります。
このような経緯を辿ることで筋肉はついていき、より太くたくましい筋肉へと成長していきます。
筋線維再生系についてより深くみていくと、筋トレによる刺激で筋肉がつく仕組みには2つのストレスが関係しています。
それが物理的ストレスと化学的ストレスです。
筋肉をつける物理的ストレス
筋肉をつけるために負荷をかけた筋トレを行いますが、そこで重要となるのが速筋線維です。
速筋線維とは瞬発的な動作で動員される筋線維で、反対の遅筋線維よりも筋肉がつきやすいという特徴があります。
そのため、筋トレは速筋線維を多く動員させることが重要になり、高重量を扱ったトレーニングをすることで効率よく速筋線維を動員させることができます。
また、筋肉をつけるためには筋線維の微細な損傷も関連し、エキセントリック収縮では速筋線維への損傷が大きくなります。
エキセントリック収縮とはベンチプレスで言う上げた状態から下げることを言い、力を出しながら筋肉が伸ばされていく状態のこと。
これによって効率よく筋肉へストレスを与え、筋肉を効果的に鍛えることができます。
筋肉をつける化学的ストレス
筋肉をつけるためには筋肉に高負荷をかける以外に、内側での化学的なストレスも影響しています。
内側でのストレスに共通するのは、内側の環境を悪化させることです。
代表的な化学的ストレスは、加圧トレーニング。
血液の流れを滞りさせることで低酸素状態にし、酸素を活用する遅筋線維ではなく速筋線維を動員させることができます。
先ほど述べたように速筋線維の方が筋肥大しやすいという特徴があるため、これによって効率よく鍛えることが可能になります。
また、自重トレーニングや低負荷でのトレーニングでもオールアウトさせることで速筋線維が動員されやすくなり、筋肥大を促すことが可能です。
内部環境の悪化である無酸素性代謝物の蓄積も筋肥大に関係しており、これによって筋肥大を誘発するホルモンが分泌されるようになります。
タンパク質代謝系のメカニズム
筋肉をつけるために重要なもうひとつのメカニズムが、タンパク質代謝系のメカニズムです。
筋タンパク質は日常的に合成と分解を行われ、1日に筋肉の約1.8%が分解されて新しい筋肉に生まれ変わっています。
では、この筋タンパク質の合成と分解が筋肥大とどのように関わっているのかというと、日常では均一に保たれている合成と分解のバランスを崩すことで、筋肥大をしていくことができるということ。
それはつまり、筋タンパク質合成を優位にし、筋タンパク質分解を抑制することです。
筋トレを行うことで筋タンパク質合成は高まりますが、それにはmTOR(エムトール)と言われるタンパク質キナーゼが関係しています。
筋タンパク質合成は細胞小器官であるリボソームによって行われており、mRNA(設計図)をもとにアミノ酸を配列する(翻訳)役割を担っています。
このリボソームを活性化させるのがmTOR(エムトール)であり、これによって筋タンパク質合成が促進されます。
また、mTORは筋タンパク質分解の抑制をすることも分かっており、より筋タンパク質合成が促進されやすい状態にすることができます。
まとめ
今回は筋肉がどのようにして発達するのかについて解説しました。
筋肉のメカニズムを知ることで効率的なトレーニングが可能となります。
ぜひ今回紹介したものを参考に、トレーニング効果を高めてください。