筋トレをしているのに筋肉が大きくならないと悩んでいる方は少なくありません。
筋肥大には様々な要素が関連していますが、そのひとつに筋トレの効果を左右する可動域があります。
今回は「筋トレにおいて重要な可動域とは何か」「可動域を意識することで得られる効果」について解説。
筋トレの効果を最大限に高めたいという方はぜひ参考にしてください。
可動域が筋トレの効果に影響を与える理由とは?
可動域とは動かせる関節の範囲のことで、筋トレの効果に大きな影響を与えます。
では、なぜ筋トレの効果に可動域が関係しているのか?
それは可動域の違いによって最大筋力と負荷に違いがあるため。
例えば、プリチャーカールの可動域は0~130度の範囲で動作させることができますが、この範囲で等しく筋力が使われているわけではありません。
プリチャーカールでの最大筋力が発揮されるのは70度前後で、この最大筋力が発揮される筋肉の長さを生体長と言います。
つまり、これよりも筋肉の長さが短かったり長かったりすると、最大筋力は使われないということになります。
ここで疑問に思うのが、「最大筋力が発揮されるところだけで動作した方が筋トレの効果を高められるのではないか」ということ。
この最大筋力付近である中間角度をパーシャルレンジ、可動域全体をフルレンジと言いますが、筋肥大に効果的なのはフルレンジです。
一見、最大筋力を使うことができるパーシャルレンジの方が効果が高そうですが、負荷量はフルレンジの方が大きくなります。
筋肥大には負荷量を高めることが重要になるため、フルレンジでのトレーニングの方が筋トレ効果が高いと言えます。
ただ、パーシャルレンジとフルレンジを比較した場合、ケガのリスクが高く回復までの期間が長いのはフルレンジになるというデメリットもあります。
パーシャルレップ法で限界まで追い込む
最大筋力を発揮することができるパーシャルレンジを活用したトレーニングに、パーシャルレップ法というものがあります。
パーシャルレップ法のメリットは、限界まで追い込む(オールアウトする)ことができること。
フルレンジで拳上させられないところまで追い込んだ後にパーシャルレップ法を活用すれば、より多くの筋繊維を疲労困憊にさせることができます。
パーシャルレップ法のやり方は、鍛えたい部位に刺激が入る範囲で動作させ、オールアウトさせること。
例えばプリチャーカールの場合、パーシャルレンジの範囲である50~100度の範囲で動作させます。
限界が近づくと小刻みに動作させがちですが、小刻みに動作させてしまうと他の部位に刺激が入ってしまい鍛えたい部分に刺激を与えることができません。
また、フルレンジでしっかりと追い込む前にパーシャルレップ法を用いてしまうと負荷量を高めることができない点にも注意する必要があります。
可動域で意識すべきこと
フルレンジは最大範囲の直前までが有効な場合も
フルレンジでの場合、トレーニングによっては負荷が0になる範囲もあります。
例えば、ダンベルショルダープレスやダンベルプレスでは、上げ切った時に重力と腕が同一方向になることで負荷が0になります。
そのため、負荷が0になる範囲があるトレーニングでは、最大範囲の直前で反復することがポイント。
負荷が抜けないことで負荷量を高めることができ、しっかりと筋肉を追い込むこともできます。
筋肥大において負荷が抜けないようにする理由は、速筋線維を動員させることがひとつの理由です。
筋肉に負荷がかかっている状態では、筋肉が低酸素状態になることで速筋線維が動員されやすくなります。
パーシャルレンジでは無理に高重量を扱わない
パーシャルレンジでは最大筋力が発揮されるため、フルレンジよりも高重量を扱うことが可能です。
しかし、無理に高重量を扱ってしまうと、フォームの崩れや十分な可動域を確保ができないことにもなり、負荷が不十分になってしまいます。
そのため、パーシャルレンジでのトレーニングを行う場合は、フォームの安定と十分な可動域を確保できる重量で行うのがポイント。
フルレンジよりも比較的ケガのリスクの低いパーシャルレンジですが、無理な重量ではケガのリスクが高まります。
特に関節などを痛めてしまうと他のトレーニングへの影響も大きいので、注意するようにしましょう。
可動域を広げれば筋トレの効果も高まる
可動域を広げるメリットは、筋トレの効果が高まること。
可動域いっぱいに動作させることが筋肥大には重要ですが、狭まってしまうと筋トレの効果が低下してしまいます。
また、可動域が狭まった状態では正しいフォームでのトレーニングが困難になり、鍛えたい部位に刺激が入らないことにもなりかねません。
日常生活を送っていると関節の最大可動域が狭まってしまい、運動不足によっても筋膜が硬くなることで可動域は狭まってしまいます。
では、可動域を広げて筋トレの効果を高めるためにはどうすればいいのかというと、静的ストレッチを取り入れること。
静的ストレッチとはじっくりと筋肉を伸ばすストレッチで、その反対が動作を加えた動的ストレッチ。
静的ストレッチを続けることによって筋肉が伸びすぎないようにする神経伝達を緩めることができ、可動域を広げることができるようになります。
また、筋膜には弾性があるため、長期的に静的ストレッチを続けることで伸びやすい状態を作ることができます。
ただ、静的ストレッチにはデメリットもあり、やりすぎてしまうとケガや過度に伸びすぎてしまう原因となります。
他にも、静的ストレッチを行うことで短期的な筋力の低下を招くことも。
なので、筋トレ前や運動前に静的ストレッチを取り入れるのではなく、筋トレ後や運動後に取り入れるのが最適です。
反対に動的ストレッチには筋肉の温度を高める効果があるため、ウォーミングアップとしてとても効果的と言えます。
まとめ
今回は筋トレと可動域にはどんな関係があるのかについて解説しました。
可動域を意識すること、可動域を広げることで筋トレの効果を高めることができます。
可動域はカラダの部位や柔軟性によっても個人差があるため、それぞれのトレーニングの動作範囲の意識と柔軟性の向上は不可欠です。
ぜひ、今回紹介した内容を参考にしてトレーニング効果を高めてくださいね!