頭痛の原因はさまざまです。
脱水症状や飲み過ぎ、目の疲れ等は頭痛を誘引します。
日本人の多くが頭痛に悩まされており、気圧の変化で頭痛を促進させる気圧頭痛等も多くの人の悩みでもあり、非常に厄介なものです。
しかし、この厄介な頭痛、実は筋トレ中や筋トレ後に発生する場合があります。
せっかくのトレーニングで頭痛が起こってしまえば、トレーニングの妨げになり、質の悪いトレーニングになってしましますし、精神的な疲労にも繋がることで生活リズムを崩す原因にもなってしまいます。
そこで今回は、そんな筋トレと頭痛の関連性について解説するとともに、頭痛の改善方法についても紹介していきます。
筋トレ中の頭痛に悩まされている方、改善方法を知りたい方はぜひ参考にしてください。
ハードなトレーニングが及ぼす3種類の頭痛
まず初めに、筋トレのようなハードなトレーニングで頭痛が起こることは珍しいことではありません。
ですので、自分だけの悩みではないことを知っておきましょう。
そして、激しい運動をしていなくてもこの頭痛は発生することもあります。
国際頭痛学会(IHS)も、このような筋トレで発生する頭痛を認めており、頭痛疾患分類に含まれる程、認知されているのです。
しかし、疾患分類には含まれているのですが、直接的な原因はわかっていないのが現状で、その要因はさまざまです。
ですので、今回は筋トレによる頭痛を引き起こすと言われている3種類の要因と改善方法を紹介します。
肩こりによる頭痛
この頭痛が最も多いと言えます。
ハードな筋トレをすると首周辺の筋肉が固まってしまい、肩こりを起こします。
この”肩こり”が頭痛の引き金になります。
例えばベンチプレスを行う際に、普段よりもウェイトの数を増やしたり、扱うダンベルの重量を上げたりした場合、その重量によって、肩こりが引き起こされ、頭痛を感じてしまいます。
肩こり頭痛の対処法
葛根湯には体を温める働きがあり、これによって肩こりの改善を期待することができます。
マグネシウムオイルには筋肉の緊張を緩和する働きがあり、これによって頭痛の改善が期待できるほか、マグネシウム不足による頭痛の緩和も期待できます。
高重量を扱うことによって肩への負担を高め、結果として頭痛を引き起こす可能性があります。
また、正しいフォームで行っていない場合、変に力が入ることで筋肉を傷める場合もあります。
そのため、一度フォームの見直しを行うのもひとつの方法です。
酸欠による頭痛
トレーニングをする際の呼吸を意識している人はどのくらいいるでしょうか?
”呼吸”は意外と疎かにされがちで、酸素を多く使う筋トレにおいては忘れてはいけない要素です。
トレーニング中に酸素を大量に消費することで、酸欠状態になります。
これによって頭痛を引き起こしてしまう可能性が大きくなってしまいます。
例えば、重いウェイトを扱う場合は無酸素状態になる人が多いと思いますが、この状態が続けば体に蓄積している酸素濃度は低くなり、頭痛を誘発確率もそれだけ上昇します。
つまり、ハードな筋トレほど頭痛を引き起こす確率は高くなるといえます。
酸欠頭痛の対処法
トレーニング前に深呼吸を行うことで体内の酸素濃度を高め、トレーニング時の酸素の消耗を減らすことができます。
また、動作中や休憩中などにも意識的に深呼吸をすることで酸欠を防ぎ、結果として頭痛を防ぐことができます。
血行による頭痛
一般的に血行は良くなった方が良いとされています。
しかし、良くなりすぎるのも頭痛の引き金になってしまうことをご存知でしょうか。
ハードな筋トレを行うと、血行が促進され血管が太くなります。
その太くなった血管が神経に触れてしまい頭痛を引き起こしてしまう原因になるのです。
血行による頭痛対処法
血行による頭痛の場合、痛い箇所を冷やすことで改善することがあります。
冷やすことで血管が収縮し、痛みを緩和します。
注意すべき頭痛の傾向
筋トレをした際に発生した頭痛について、もしそれが単にトレーニングによるものなのか、それとも何らかの重大な病気のサインなのかはしっかりと識別する必要があります。
トレーニングによる頭痛であれば、上で紹介した方法や薬でも対処できますが、もしそうでない場合は注意が必要となります。
一見するとただの頭痛と思われるかもしれませんが、実は放っておくと重大な病気へと発展してしまう可能性もあることは十分に覚えて置く必要があります。
頭痛は主に一時性頭痛と二時生頭痛の2種類に分類されています。
一般的に一時性頭痛ははっきりとしたエビデンスを持ち合わせておらず、そのほとんどは良性の頭痛とされています。環境や遺伝子だけでなく、その他の多様な原因が組み合わさって発生するものとされています。
このことから、筋トレによる頭痛は一時性頭痛であることがわかります。普段から頭痛になりやすい人がなっているケースや、脱水症状、酸欠、肩こり等のさまざまな理由が絡み合って発生している可能性もあります。
一方の二次性頭痛は、奥底に潜む深刻な病気との関連が考えられます。
一時性頭痛よりも発生率は低いですが、それを発見するための一定の兆候があります。
この兆候をしっかりと識別し、単なる頭痛と思わず、心配な場合は病院で診てもらうことを強く推奨します。
- 経験したことのない突然の激しい頭痛
- 徐々に痛みが強くなる
- (これまで頭痛を経験したことがなく)50歳を過ぎて初めて経験する頭痛
- 手足のしびれや動かしにくい、呂律が回らない、発熱、吐き気、嘔吐などの頭痛以外の症状がある
- 普通の頭痛と異なるパターン(頭痛の現れ方、痛みの程度、持続時間など)
参照:大清水クリニック
これらの兆候があれば甘く診ずにすぐに病院で診てもらいましょう。
脳震盪・くも膜下出血・脳腫瘍・髄膜炎などの重大な病気に発展する可能性があります。
「二時性頭痛」に、注意してトレーニングを行っていきましょう。
まとめ
今回は筋トレが及ぼす頭痛についてお話ししてきました。
普段ハードな筋トレをしていなかったり、筋トレを始めた頃だと上で紹介した頭痛を引き起こしてしまうリスクも同時に高くなる傾向もあります。
これを読んでいる人もそのような方が多いのではないでしょうか。
上で紹介している対処法を生かし、様子をみながらトレーニングを進めていくことが大切です。
そして最後に記載されている二時性の頭痛には注意しトレーニングに励みましょう。
そこまでデリケートにならなくても良いですが、二時性頭痛の兆候があれば、すぐに病院へ行きましょう。