体幹を鍛えることができる「クランチ」。
トレーニングの人気種目であるクランチは、普段トレーニングをしない初心者にもおすすめのトレーニングです。
今回はそんな「クランチのやり方と効果的に鍛えるポイント、種類」について紹介していきます。
「クランチの効果的な方法を知りたい」「初心者でもできる腹筋トレーニングを知りたい」方はぜひ参考にしてください。
クランチで鍛えられる筋肉は?
クランチではお腹の正面に位置する「腹直筋」とお腹の横に位置する「腹斜筋」、お腹の横の深部に位置するインナーマッスルである「腹横筋」といったお腹周りの筋肉をメインに鍛えることができます。
腹直筋は6パックを作る筋肉で、姿勢を正しく維持するために使われます。
腹斜筋はくびれを作る筋肉で体幹を安定させる働きがあり、アウターマッスル(表層筋)の外腹斜筋とインナーマッスルの(内腹斜筋)の2つに分けられます。
腹横筋は腹筋群の深層にあるインナーマッスルで、コルセットのようにお腹の周りを包んでいる筋肉です。
腹式呼吸による息を吐く動作や腹圧を高める働きをしており、体幹全体の安定にも一役かっています。
クランチではこのような体幹の筋肉を鍛えることができ、体幹が安定することで姿勢の改善、腰痛の改善、スポーツパフォーマンスの向上といった効果が期待できます。
基本のクランチの効果的なやり方
仰向けになり、膝を90度よりも深く曲げる
手は頭の横に軽く添え、顎をひいておへそをのぞきこむように背中を丸めて上体を限界まで起こす
ゆっくりと元の位置に戻り、10回×3セットを目安に行う
クランチの3つのポイントと注意点
Point 1 反動をつけない
動作が苦しくなると反動をつけてしまいがちですが、反動をつけることで筋肉への負荷が減少してしまいます。
一定のスピードでゆっくりと動作し、腹筋をしっかりと意識しましょう。
Point 2 腹筋の力を抜かない
元の位置に戻るときに腹筋の力が抜けないようにするため、肩甲骨が完全につく手前で反復します。
こうすることで効果的に負荷をかけ続けることができ、効率よくトレーニングを行えます。
Point 3 背中を丸めるイメージ
首ではなく背中を丸めるようにイメージすることで、腹筋をしっかりと収縮させることができます。
クランチの7種類の方法
クランチはやり方によって鍛えられる筋肉に違いがあります。ここではクランチの7種類の方法と鍛えられる部位について解説していきます。
リバースクランチのやり方
リバースクランチは仰向けの状態で床に横になり、体ではなく膝を胸に近づけるように動作を行います。腹直筋の下部をメインに鍛えられる他、腸腰筋といったインナーマッスルも同時に鍛えられます。
仰向けの状態で両脚はくっつけ、手は体より少し離れたところに置く
脚を軽く上げ、お尻と腰を上げつつ膝を胸に引きつける
元の位置に戻り10回×3セットを目安に行う
サイドクランチのやり方
サイドクランチは横向きになった状態で脇腹を締めるように動作を行います。横腹の筋肉である腹斜筋をメインに鍛えることができます。
横向きに寝て膝を軽く曲げ、体の下側の手を前方に出して安定させる
上側の手を頭に添え、脇腹を締めるように頭と肩を持ち上げる
左右10回×3セットを目安に行う
足上げクランチのやり方
足上げクランチは足を床から浮かした状態で動作を行います。基本のクランチでは腹直筋上部がメインに鍛えられますが、足上げクランチでは腹直筋下部も合わせて鍛えることができます。
仰向けになり、足を上げて膝を90度に曲げる
手は頭の横に軽く添え、顎をひいておへそをのぞきこむように背中を丸めて上体を限界まで起こす
ゆっくりと元の位置に戻り、10回×3セットを目安に行う
バイシクルクランチのやり方
バイシクルクランチは足を床から浮かした状態でひねりながら動作を行います。そのため、腹直筋のみならず、腹斜筋や腸腰筋といった筋肉も効果的に鍛えることができます。
床に膝を立てて座り、手は頭の後ろで組む
両足を浮かした状態で、肘と反対の膝が触れるまで動作する
触れたら元の位置に戻り、左右交互に反復する
左右10回×3セットを目安に行う
スローバイシクルクランチのやり方
スローバイシクルクランチはバイシクルクランチをゆっくりとした動作で行います。ゆっくりと行うことで対象となる筋肉を効果的に鍛えることができます。
床に膝を立てて座り、手は頭の後ろで組む
両足を浮かした状態で、肘と反対の膝が触れるまで動作する
触れたら元の位置に戻り、左右交互に反復する
左右10回×3セットを目安に行う
サイドプランククランチのやり方
サイドプランククランチはサイドプランクの姿勢で肘と膝を近づけるように動作を行います。体幹を鍛えつつ、腹斜筋にしっかりと負荷をかけることができます。体勢の維持が難しいため、上級者向けのトレーニングです。
床に横ばいになり、肩の真下に肘を置いて上側の手は腰に軽く添え、両脚を上下に揃える
肘と脚で体を支えながら持ち上げ、頭からかかとまでが一直線になるようにする
上側の膝と肘を横からくっつけるように動作し、それを10回行う
10回×3セットを目安に行う
ヒールタッチクランチのやり方
ヒールタッチクランチは基本のクランチの姿勢で体を起こすときにかかとに触るように動作します。こうすることで腹直筋のみならず腹斜筋にも負荷をかけることができます。
仰向けになり膝を立て、手は体の横に置く
へそを覗き込むように体を軽く起こす
右手で右のかかとをタッチして元の位置に戻る
反対側も同じように左手で左のかかとをタッチして元の位置に戻る
左右交互にかかとをタッチして、左右10回ずつ3セット繰り返す
クランチで体幹を鍛える3つのメリット
- 正しい姿勢を保てるようになる
- 体が引き締まる
- 生活と運動のパフォーマンスが向上する
1. 正しい姿勢を保てるようになる
クランチで体幹を鍛えることで、立っているときの姿勢や歩いているときの姿勢、座っているときの姿勢が正しく保たれるようになります。
モデルやスポーツ選手をイメージすると、背筋が伸びた綺麗な立ち姿をイメージすると思います。
これはしっかりと体幹が鍛えられ、筋肉同士が拮抗しあっている証。
反対に体幹の筋肉が衰えていると、背筋が曲がって猫背になり、肩こりや首こり、腰痛を引き起こす原因にもなります。
このような症状を改善・予防するためにも、体幹を鍛えることはとても重要です。
2. 体が引き締まる
クランチで体幹を鍛えることで、お腹周りを引き締めることができます。
特に腹横筋は体の引き締めにおいてとても重要な筋肉。
腹横筋はお腹の周りをコルセットのように覆っており、呼吸とも大きく関係しています。
体幹が衰えて姿勢が悪いと血行が滞るだけでなく呼吸も浅くなり、腹横筋がしっかりと使われないことで基礎代謝も低下します。
しかし、体幹を鍛えれば腹横筋を含む筋肉群が刺激され、血行と呼吸が改善されることで基礎代謝が向上し、体全体を引き締めることができます。
3. 生活と運動のパフォーマンスが向上する
体幹には四肢を動かすという重要な役割があります。
体幹が衰えていると足腰が安定せず、歩行がブレる・つまずくといった問題を引き起こします。
一方で体幹がしっかりと鍛えられていると、体のブレがなくなるだけでなくエネルギーを効率よく使うことで疲れにくくなります。
これはスポーツにおいても言えることで、体幹が鍛えられているとサッカーであればコンタクトで負けない、野球であればフォームが安定してエネルギーをしっかりと伝えられるといったメリットがあります。
このように体幹を鍛えることで生活におけるパフォーマンスが向上するのみならず、運動のパフォーマンスも向上させることができます。
クランチで体幹を鍛えて体を引き締めよう!
今回はクランチで体幹を鍛える方法を紹介しました。
クランチは普段トレーニングを行わない初心者でも簡単に行えるトレーニングです。
クランチになれたら脚上げクランチにステップアップしてより強度を高めましょう。
ぜひ普段のトレーニングにクランチを取り入れ、理想的な体を目指してください。