有酸素運動と筋トレの順番はどっちから?目的ごとの組み合わせも解説

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ランニングマシンで走る女性

有酸素運動と筋トレをどちらを先に行うべきか、トレーニング経験者でも悩むポイントです。実際、運動の順番は目的によって効果が大きく異なり、適切な順序を理解することが重要です。

この記事では、科学的根拠をもとに、有酸素運動と筋トレを効果的に組み合わせる方法を解説します。初心者から経験者まで、目的に合わせたトレーニング戦略を理解して、効果を最大化しましょう。

目次

有酸素運動と筋トレの順番を決めるポイント

ランニングマシンで走る女性

有酸素運動と筋トレをどちらを先に行うべきかは、トレーニングの目的によって異なります。筋肥大、ダイエット、持久力向上といった異なる目標に対して、運動順序を工夫することで効率が大きく変わります。

ここでは、それぞれの目的に応じた順番のポイントを詳しく解説します。

筋肥大が目的の場合

筋トレを行う男性

筋肥大を目的とする場合、有酸素運動と筋トレの順番を間違えると、筋肉の成長が阻害されてしまいます。特にエネルギー消費が大きい有酸素運動を先に行うと、筋トレに必要なグリコーゲンが枯渇し、十分な負荷をかけられなくなります。そのため、筋肥大を目指す場合には、筋トレを先に行うことが基本となります。

筋トレを先に行うメリットとして、まず筋出力を最大化できる点が挙げられます。特に高重量を扱うトレーニングでは、エネルギーが十分に残っている状態で行うことで、より多くの筋繊維を刺激できます。これにより、筋タンパク質合成が活発になり、筋肥大が促進されるのです。

例えば、スクワットやベンチプレスといった複合種目では、全身の筋力を最大限発揮する必要があります。有酸素運動を先に行うと、これらのエクササイズ中に筋力が低下し、フォームの崩れや怪我のリスクが高まるため、パフォーマンスを重視する筋肥大トレーニングでは非効率的です。

また、筋トレ後に軽めの有酸素運動を取り入れることで、血流が促進され、筋肉の回復を助ける効果が期待できます。ただし、ここでも強度が高すぎると筋分解を引き起こすため、心拍数が軽く上がる程度のウォーキングやジョギングが適しています。

筋肥大を目指す場合、エネルギーの使い方と筋肉の回復を考慮し、筋トレを優先して行うことがベストです。これにより、筋力低下を防ぎ、効率的に筋肉を成長させることができます。

参考:Effects of concurrent training sequence on VO2max and lower limb strength performance: A systematic review and meta-analysis

ダイエット目的の場合

ダイエットを行う女性

ダイエットを目的とする場合、筋トレを先に行ってから有酸素運動を行う順番が効果的です。これは、筋トレによって糖質が先に使われ、その後の有酸素運動で脂肪が優先的に燃焼しやすくなるためです。

筋肥大の場合と同様に、スクワットやベンチプレスといった大筋群を使う種目では、糖質(筋グリコーゲン)を主にエネルギー源とするため、筋トレを先に行うことで最大出力を発揮できます。その後、有酸素運動を行うことで、筋トレによって減少した糖質に代わり、脂肪がエネルギー源として利用されやすくなります。

ダイエット目的の場合のトレーニングは、30分程度の高強度インターバルトレーニング(HIIT)を行った後、20〜30分のジョギングやウォーキングを組み合わせると、筋肉量の維持と脂肪燃焼を効率よく両立できます。特に、筋トレ直後の有酸素運動では、アフターバーン効果が発揮され、運動後もしばらく代謝が高い状態が続きます。これにより、消費カロリーがトータルで増加し、ダイエット効果が高まります。

また、2020年の研究では、筋トレを先に行ったグループは、有酸素運動を先に行ったグループと比較して、体脂肪を有意に減少したと報告されています。さらに、2025年の研究でも、肥満男性を対象にした実験で、筋トレ→有酸素運動の順番を採用したグループが、より大きな脂肪減少効果を得たことが確認されています。

一方、有酸素運動を先に行うと、筋トレに必要なエネルギーが不足し、筋力低下やパフォーマンスの低下を招きやすくなります。また、長時間の高強度有酸素運動は筋分解を促すリスクがあり、ダイエット中の筋力低下を引き起こす可能性もあります。

ダイエット目的で効果的に脂肪を燃やすためには、筋トレを先に行い、その後に有酸素運動を取り入れるのがベストです。これにより、筋肉の維持と脂肪燃焼を効率よく両立でき、持続的な減量をサポートすることができます。

参考:Order of same-day concurrent training influences some indices of power development, but not strength, lean mass, or aerobic fitness in healthy, moderately-active men after 9 weeks of training
Impact of sequence in concurrent training on physical activity, body composition, and fitness in obese young males: A 12-week randomized controlled trial

持久力向上が目的の場合

ランニングを行う男女

持久力を高めたい場合には、有酸素運動を先に行うのが基本です。というのも、筋トレを先に行うと筋肉の疲労や乳酸蓄積により、その後のランニングやサイクリングのパフォーマンスが落ちてしまう可能性があるためです。

心肺機能を強化するトレーニングでは、有酸素運動を十分に行うことで、心臓や肺に負荷をかけ、酸素供給能力を向上させる効果が期待できます。

実際、レビュー研究でも「持久力パフォーマンスを重視する場合、有酸素トレーニングを先に行う方が望ましい」と提言されています。つまり、持久走などでは疲れていない状態で有酸素運動に取り組んだ方が質の高いトレーニングができるということです。

一方で、有酸素能力の向上幅そのものは、筋トレ→有酸素でも有酸素→筋トレでも、順番によって大きく変わらないと報告されています。

ただし、トレーニングの質や安全面を考えると、持久力種目が目的なら有酸素運動を先行させる方が無難といえます。特に長距離走や耐久系の練習では、筋トレ後に疲労した状態で走るよりも、新鮮な状態で走った方がフォーム維持もしやすく効果的です。以上から、持久力アップを目指す場合は有酸素運動→筋トレの順番が推奨されます。

参考:Effect of Strength and Endurance Training Sequence on Endurance Performance
Effects of concurrent training sequence on VO2max and lower limb strength performance: A systematic review and meta-analysis

有酸素運動と筋トレを組み合わせる際の注意点

筋トレを行う男性

有酸素運動と筋トレを組み合わせる際には、効果を最大化するためにいくつかの注意点があります。特に、筋肉の分解を防ぎつつ脂肪燃焼を促進するためには、運動の順番や強度、持続時間に工夫が必要です。

ここでは、筋肉の分解を防ぐポイントや、有酸素運動の強度と時間の調整法について詳しく解説します。

筋肉の分解を防ぐポイント

鍛えられた男性

筋肉の分解を防ぐためには、有酸素運動と筋トレの組み合わせ方に工夫が必要です。特に、筋肥大や筋力アップを目指している場合、有酸素運動を過度に行うと筋肉の損失につながりかねません。そのため、筋分解を防ぎつつ効果的に有酸素運動を取り入れるポイントをしっかりと押さえておきましょう。

まず、筋肉の分解を防ぐためには、エネルギー源として糖質をしっかり補給しておくことが重要です。有酸素運動を長時間行うと、エネルギーが枯渇し、筋肉中のタンパク質が代替エネルギーとして使われるリスクが高まります。そのため、運動前にはバナナやエネルギーバーなどの炭水化物を摂取し、筋グリコーゲンを十分に蓄えておくことが効果的です。

さらに、筋トレ後すぐに高強度の有酸素運動を行うと、筋肉の修復が遅れるため注意が必要です。筋トレ直後は、筋繊維がダメージを受けた状態であり、適切な栄養補給と休息が欠かせません。特に、プロテイン摂取やBCAAを取り入れることで、筋肉分解を抑制できます。

また、有酸素運動の強度と持続時間も重要です。高強度のランニングやHIITを長時間行うと、カタボリック状態(筋分解)が促進されるため、低〜中強度の有酸素運動を30分以内に抑えることが推奨されます。例えば、ウォーキングや軽めのジョギングであれば、筋分解リスクを抑えつつ脂肪燃焼をサポートできます。

最後に、筋トレと有酸素運動の間に10〜20分程度のインターバルを設けると、筋回復を促進しながら有酸素運動の効果も得やすくなります。クールダウンとして軽めのストレッチを行うことで、筋肉の張りをほぐし、循環を促す効果も期待できます。

筋肉の分解を防ぎながら有酸素運動を取り入れるためには、エネルギー補給、強度管理、インターバルの確保がポイントです。これらを意識してトレーニングを組み合わせることで、筋力維持と脂肪燃焼の両立が可能となります。

有酸素運動の強度と時間

ランニングを行う女性

有酸素運動を効果的に取り入れるためには、強度と時間の管理が重要です。特に、筋肥大や筋力アップを目的としている場合、高強度かつ長時間の有酸素運動は筋分解を引き起こすリスクがあるため、適切な調整が必要です。ここでは、有酸素運動の強度と時間をどのように設定すれば良いのかを解説します。

まず、有酸素運動の強度を考慮する際には、最大心拍数の60〜70%を目安に設定しましょう。例えば、30歳の人であれば、最大心拍数は「220 – 年齢」で190拍となり、その60〜70%は約114〜133拍/分です。この心拍数を維持する中強度運動は、脂肪燃焼効果が高く、筋分解リスクも抑えられます。

一方、心拍数が80%以上に達する高強度運動は、脂肪燃焼率が上がる反面、筋肉に強いストレスを与えるため、筋肥大目的のトレーニングと組み合わせる際には注意が必要です。高強度を選ぶ場合は、短時間(20分以内)に限定し、運動後にはプロテインやBCAAを摂取して筋分解を防ぎましょう。

次に、有酸素運動の持続時間ですが、筋トレを中心としたプログラムの場合は20〜30分が適切です。これ以上の長時間運動は、エネルギー消耗が激しくなり、筋肉がエネルギー源として分解されるリスクが増します。特に、長距離ランニングやエアロビクスなどの長時間有酸素運動は、筋肥大を目指す人には不向きです。

また、有酸素運動を筋トレの後に行う場合、低強度で20分以内に抑えると、血流促進効果によって筋肉の回復を助けるメリットもあります。例えば、筋トレ後にウォーキングや軽めのバイクを取り入れることで、クールダウン効果と脂肪燃焼を同時に得られます。

有酸素運動を取り入れる際には、目的に応じて強度と時間を適切に設定することが大切です。高強度・長時間の有酸素運動は筋分解リスクがあるため、低中強度かつ短時間で行うのがベストです。

目的別のおすすめの組み合わせ方

ダイエットを行う男性

有酸素運動と筋トレの順番は、トレーニングの目的によって大きく異なります。筋肥大を目指す場合、エネルギーを最大限活用できる筋トレを先に行う方が効率的です。また、ダイエットを目的とする場合も、筋トレを先に行い、その後に有酸素運動を行う方法が効果的とされています。一方、健康維持を目的とする場合は、有酸素運動と筋トレをバランスよく組み合わせることがポイントです。

ここでは、筋肥大、ダイエット、健康維持といった目的ごとに最適な組み合わせ方法を詳しく解説します。

筋肥大目的

筋トレを行う男性

筋肥大を目指す場合、有酸素運動と筋トレの順番を工夫することで、効率よく筋肉を増やすことができます。基本的には筋トレを先に行い、その後に軽めの有酸素運動を組み合わせる方法が推奨されています。これにより、筋トレ時のパフォーマンスが最大化され、筋力向上が期待できます。

筋肥大目的のトレーニングメニュー例
  • 筋トレ(先に行う)
    • ベンチプレス:3セット × 6〜8回(高重量)
    • スクワット:4セット × 8〜10回(中重量)
    • デッドリフト:3セット × 6〜8回(高重量)
    • ダンベルショルダープレス:3セット × 8〜10回(中重量)
    • プルアップ:3セット × 8回(自重または加重)
  • 有酸素運動(筋トレ後に行う)
    • ウォーキングまたは軽いジョギング:20分(心拍数60〜70%)

筋トレを先に行う理由は、エネルギーを筋力発揮に優先させるためです。特に筋肥大には高重量・低回数のトレーニングが効果的であり、筋グリコーゲンが十分に残っている状態で実施するとパフォーマンスが向上します。

筋トレ後には、低強度の有酸素運動を取り入れることで、筋肉の回復を促進しつつ脂肪燃焼もサポートできます。特に20分程度のウォーキングや軽いジョギングが適しています。長時間の有酸素運動は筋分解を引き起こすため避けましょう。

また、筋トレ直後にはプロテイン+糖質を摂取し、筋タンパク合成を促しましょう。有酸素運動後にはBCAAやEAAを補給することで、筋肉の分解を防ぐことができます。筋肥大を目指す場合、この順番と組み合わせでトレーニングを行うことで、筋力向上と筋量増加を効率的に実現可能です。

ダイエット目的

ダイエットを行う女性

ダイエットや脂肪燃焼を目指す場合、筋トレを先に行い、その後に有酸素運動を取り入れる方法が効果的です。というのも、筋トレで筋グリコーゲンを消費した後、有酸素運動をおこなうことで脂肪を効率的に燃焼させることができるためです。

ダイエット目的のトレーニングメニュー例
  • 筋トレ(先に行う)
    • サーキットトレーニング(無酸素系)
      • スクワットジャンプ:20回
      • プッシュアップ:15回
      • バーピー:15回
      • マウンテンクライマー:20回
      • ロープスキッピング:1分
    • セット数:3セット(セット間休憩1分)
  • 有酸素運動(筋トレ後に行う)
    • ジョギングまたはランニング:30分(心拍数70〜80%)

筋トレを先に行うことで、基礎代謝を上げて脂肪燃焼効果を高めることができます。サーキットトレーニングは無酸素運動として筋力を強化しながら、エネルギー代謝を活性化させます。筋トレで糖質を使い切った後、有酸素運動を続けることで、体脂肪を効果的に燃焼させることが可能です。

また、運動前には低GI食品を摂取し、エネルギー切れを防ぎましょう。トレーニング後にはプロテイン+BCAAで筋分解を防ぎつつ、ビタミンB群を摂取して代謝をサポートするのがポイントです。

健康維持目的

筋トレを行う男女

健康維持や体力向上を目的とする場合、有酸素運動と筋トレをバランスよく取り入れることが大切です。順番に厳密なルールはなく、続けやすさを優先しましょう。

健康維持目的のトレーニングメニュー例
  • 有酸素運動(ウォーミングアップとして先に行う)
    • ウォーキング:10分
    • ストレッチ:5分
  • 筋トレ(メインエクササイズ)
    • スクワット:3セット × 15回(軽〜中重量)
    • プッシュアップ:3セット × 10回(自重)
    • ダンベルローイング:3セット × 12回(軽重量)
    • プランク:3セット × 30秒
  • クールダウン(有酸素運動を最後に行う)
    • 軽めのジョギング:10分
    • ストレッチ:5分

健康維持が目的の場合、ウォームアップとして軽めの有酸素運動を先に行い、体を温めてから筋トレを行う方法が有効です。これにより、筋肉がほぐれてトレーニング中の怪我リスクが減ります。また、筋トレ後に軽い有酸素運動を行うことで、クールダウン効果と血流促進が期待できます。

また、健康維持を目指す場合は、運動前後にバランスの取れた食事が基本です。特に、筋トレ後にはタンパク質を摂取し、筋肉量を維持するために鶏肉や豆類などを取り入れましょう。水分補給も忘れずに行い、ミネラル豊富なスポーツドリンクを活用するのもおすすめです。

有酸素運動と筋トレに関するQ&A

有酸素運動と筋トレはどちらを先にやるべきですか?

目的によって異なります。筋肥大とダイエット目的の場合は筋トレを先に行うことで、最大限の筋力を発揮しつつ脂肪燃焼を促すことができます。一方で、持久力向上を狙う場合は、有酸素運動を先に行うのが効果的です。

有酸素運動と筋トレを同日に行っても良いですか?

問題ありませんが、順番や強度に注意が必要です。筋肥大と脂肪燃焼を目指す場合は筋トレを先に行うようにしましょう。また、筋トレと有酸素運動のインターバルを20〜30分程度取ることで、両方の効果を最大化できます。

筋トレ後に有酸素運動をすると筋肉が減りますか?

長時間や高強度の有酸素運動を筋トレ直後に行うと、筋分解のリスクがあります。筋トレ後には低強度のウォーキングや軽めのジョギングを20分程度に抑えると、筋肉の維持と脂肪燃焼を両立できます。

有酸素運動と筋トレを交互に行うサーキットトレーニングは効果的ですか?

非常に効果的です。サーキットトレーニングは筋力向上と持久力強化を同時に行えるため、時短トレーニングとしても有効です。筋肉の持久力を高め、脂肪燃焼効果も期待できるため、ダイエットや健康維持にも適しています

有酸素運動をすると筋肉が減少するのは本当ですか?

トレーニング強度により異なります。長時間の高強度有酸素運動は筋分解を引き起こしやすいため、低〜中強度で短時間(20〜30分)に抑えることがポイントです。

目的に合わせて有酸素運動と筋トレの順番を決めよう

筋トレを行う男性

有酸素運動と筋トレの順番は、トレーニングの目的によって異なります。筋肥大目的とダイエット目的は、筋トレを先に行うことで筋力を発揮しやすく、脂肪燃焼をサポートすることができます。なります。一方、持久力向上が目標であれば、心肺機能を優先させるために有酸素運動を先にするのが効果的です。

どちらも同日に行う場合は、インターバルを20〜30分取ることで、トレーニング効果を高められます。目的に応じた最適な順番を理解し、効率的に取り組んで、筋力アップや脂肪燃焼、持久力向上を実現しましょう。

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