イタリア料理を中心として幅広い料理に活用できるオリーブオイル。
加熱しても酸化しにくいため、使い勝手がいいのもオリーブオイルの特徴です。
そんなオリーブオイルの中には「エクストラバージンオリーブオイル」と表記されているものがあり、スーパーで一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
しかし、「エクストラバージンオイル」と表記されているものとされていないものではどんな違いがあるのかよくわからないという方も多いはず。
そこで今回は、通常のオリーブオイルとエクストラバージンオリーブオイルの違いについて解説していきます。
オリーブオイル選びで迷っている方、高品質なオリーブオイルの見つけ方を知りたい方はぜひ参考にしてください。
オリーブオイルとエクストラバージンオイルの違いは?
通常のオリーブオイル(ピュアオリーブオイル)とエクストラバージンオリーブオイルの違いは、製法の違いと品質の違いです。
製法の違いはエクストラバージンオリーブオイルがオリーブの実から搾油しろ過しただけなのに対して、オリーブオイルは精製することで脱臭・脱酸・脱色を行っていることです。
精製を行ったオリーブオイルはオリーブ特有の香りや味わいと栄養が失われてしまっていますが、精製を行わないエクストラバージンオリーブオイルにはオリーブ特有の香りや味わい、オリーブに含まれる栄養を摂取することができます。
品質に関しては、IOC(国際オリーブオイル協会)が定めている基準をクリアした特に高品質なものがエクストラバージンオリーブオイルと名乗ることができ、オリーブオイルは基準をクリアできなかったものになります。
オリーブオイルは精製によって香りや味わいが損なわれてしまうため、それを補うためにエクストラバージンオリーブオイルや他のオイルで香りづけを行っている場合もあります。
成分に違いがあるのか?と疑問に思う方もいるかもしれませんが、オリーブオイルの主成分であるオレイン酸に関しては違いはほとんどありません。
ただ、安価なヒマワリ油やコーン油などを使用している場合もあるので、そこには注意が必要です。
オリーブオイルの効果とは?
オリーブオイルを摂ることで期待できる効果は、悪玉コレステロールの低下・肌の老化予防・腸内環境の改善・生活習慣病予防です。
オリーブオイルの主成分であるオレイン酸には悪玉コレステロールを低下させる働きがあり、悪玉コレステロールが増えることで引き起こされる脳梗塞や心筋梗塞などの生活習慣病の予防をすることができます。
また、オレイン酸には腸の蠕動運動を促進させる働きがあり、便秘を改善することで腸内環境を整える効果が期待できます。
オリーブオイルには植物が持つ苦みや辛み、渋みの成分であるポリフェノールが含まれています。
このポリフェノールは、強い抗酸化作用を持ち肌の老化予防として効果を発揮します。
また、オリーブオイルに含まれているポリフェノールはヒドロキシチロソールというもので、ビタミンCの10倍近い抗酸化作用を持ち美白効果もあると言われています。
このような効果を得るためには、精製されていない高品質なオリーブオイルであるエクストラバージンオリーブオイルを選ぶことが大切です。
というのも、通常のオリーブオイルは精製される過程や輸送段階でポリフェノールなどの栄養素がほとんど失われてしまうため、新鮮で高品質なエクストラバージンオリーブオイルほどの効果が期待できないためです。
ポリフェノールを豊富に含むオリーブオイルは、コラティーナ種という品種を使っていたり、ピリッとスパイシーな刺激のあるものがポリフェノールを豊富に含んでいます。
オリーブオイルは特徴に合わせて使い分けよう
オリーブオイルの活用法でよく言われているのが、通常のオリーブオイルは加熱調理などに使い、エクストラバージンオリーブオイルはサラダや料理の仕上げに使うというもの。
通常のオリーブオイルの特徴は、精製されているため酸化しにくく熱に強いという特徴があるだけでなく、無味無臭に近いものが多いため食材の味を邪魔しないという特徴があります。
一方でエクストラバージンオリーブオイルは、通常のオリーブオイル程熱に強いわけではありませんが香りが豊かであるという特徴があります。
ただ、エクストラバージンオリーブオイルは加熱調理に利用できないというわけではなく、加熱することで香りや栄養が失われやすくなるため、生のまま利用するのが推奨されています。
また、エクストラバージンオリーブオイルはオリーブオイルの中で最も高品質なため、コスト面を考えると普段使いするにはもったいないという側面もあります。
日本はエクストラバージンオリーブオイルのニセモノが多い?
エクストラバージンオリーブオイルに関してよく言われているのが、日本のものはニセモノが多いということ。
これは海外における基準と日本における基準に違いがあり、日本における基準の方が甘くなっていることが原因です。
海外のエクストラバージンオリーブオイルの基準はIOC(国際オリーブオイル協会)が以下のように定めています。
一方で日本の場合は、JAS(日本農林規格)によって以下のように定められています。
このような基準の違いによって日本のものは低品質なオリーブオイルでもエクストラバージンオリーブオイルと名乗ることができ、ニセモノが出回ってしまう原因になっています。
本物のエクストラバージンオリーブオイルの選び方とは?
エクストラバージンオリーブオイルは世界と日本の基準の違いによってニセモノが多いと先ほど述べました。
では、世界基準のエクストラバージンオリーブオイルはどのようにして選べばいいのか?
よく言われているのが、遮光瓶や酸度、製法、原産国、収穫時期、有機マーク、DOP・IGPマークであるかをチェックすること。
ただ、これに関してはいちいちチェックするのが面倒な上に、ラベルに記載されている情報が必ずしも正しいとは言えません。
そこでチェックしたいのが、国際コンテストでの受賞履を確認する方法です。
国際コンテストでは公正な立場で世界中のソムリエによって厳しく審査されるため、本物の高品質なエクストラバージンオリーブオイルを見つける基準となります。
日本においても国際コンテストが開催されており、OLIVE JAPAN®では毎年世界中のエクストラバージンオリーブオイルの審査が行われています。
このコンテストで入賞しているものはソムリエによって認められたものであり、品質・味ともに最高であることが裏付けられます。
なので、本物のエクストラバージンオリーブオイルを選ぶ際には国際コンテストで入賞しているものを選ぶのがおすすめです。
最優秀賞の受賞歴のあるオリーブオイル
ここでは、OLIVE JAPAN® 国際オリーブオイルコンテスト最優秀賞を受賞したオリーブオイルを紹介していきます。
豊かな香りと高品質なオリーブオイルを体験してみたい方はぜひ参考にしてください。
CLADIVM(クラディウン)
容量(ml) | 500ml |
品種 | オヒブランカ |
原産国 | スペイン |
酸度(%) | 0.1 |
OLIVE JAPAN®国際オリーブオイルコンテストで最優秀賞を受賞したエクストラバージンオリーブオイル。
手作業による選別と収穫を行い、2時間以内の搾油によって新鮮さをキープ。
味わいは爽やかな風味とピリッと刺激的な辛みが特徴。
オレイン酸やポリフェノール、ビタミン、ミネラルなどの栄養素も豊富に含まれ、健康にも美容にも最適。
メルガレホ コンポジシオン
容量(ml) | 500 |
品種 | ピクアル・オヒブランカ・アルベッキーナ・フラントイオ |
原産国 | スペイン |
酸度(%) | 0.1 |
OLIVE JAPAN®で最優秀賞を受賞したエクストラバージンオリーブオイル。
4種類の品種をブレンドすることで個性的でバランスのとれた味わい。
収穫から搾油までを一貫して行い、香り豊かでフレッシュな仕上がりになっています。
FATTORIA AMBROSIO1938(ファットリアアンブロシオ) RISERVA(リゼルバ)
容量(ml) | 500 |
品種 | イトラーナ・コラティーナ |
原産国 | イタリア |
酸度(%) | 0.1~0.2 |
OLIVE JAPAN®で最優秀賞を受賞したエクストラバージンオリーブオイル。
収穫から搾油までを6時間程度で行い、搾油の際には低温で処理することでオイルの劣化を防いでいます。
余韻の長く残る味わいで、苦みの広がりと心地よい辛みを体験することができます。
定番のRISERVA(リゼルバ)以外にも、CRUX(クルックス)やIDRA(イドラ)、ALFA(アルファ)などの風味が異なるものもあります。
まとめ
今回は、オリーブオイルとエクストラバージンオリーブオイルの違いについて解説しました。
通常のオリーブオイルよりもエクストラバージンオリーブオイルは高品質なため高価ではあるものの、オリーブ本来の風味や効果を実感することができます。
本物のエクストラバージンオリーブオイルを利用するためには高品質なオリーブオイルを選ぶ力が必要となるので、先ほど紹介したことを参考にして本物のエクストラバージンオリーブオイルを試してみてください。