スクワットは全身の代謝を高める痩せる運動として非常に優れています。特に、大腿四頭筋や臀筋といった大筋群を効率よく鍛えることで、基礎代謝量が上がり、脂肪燃焼が促進されるのが特徴です。また、スクワットでは体幹部も同時に使われるため、腹部の引き締めによるお腹痩せも期待できます。ただし、正しいフォームや頻度、食事管理を意識しなければ、十分なダイエット効果は得られません。
この記事では、スクワットで痩せる仕組みやお腹痩せに効果的な方法、さらにダイエット成功のためのコツまで徹底解説します。
スクワットで痩せる理由

スクワットは、見た目以上に痩せる効果の高いトレーニングです。筋肉量が多い部位を集中的に鍛えることで、運動中の消費カロリーが高くなるだけでなく、日常生活でもエネルギーを消費しやすい体質へと変えていくことができます。スクワットで痩せる最大の理由は、基礎代謝が向上することと、大筋群を活性化できることにあります。
ここでは、なぜスクワットが脂肪燃焼やダイエットに効果的なのか、わかりやすく解説していきます。
基礎代謝アップによる脂肪燃焼効果
基礎代謝とは、生命維持に必要な最低限のエネルギー消費量のことです。呼吸や体温維持、内臓の活動などに使われるエネルギーであり、何もしていない安静時でも消費され続けています。この基礎代謝量は、筋肉量と大きく関係しており、筋肉が多い人ほど一日の消費エネルギーが自然に増える仕組みになっています。
スクワットは、大腿四頭筋、ハムストリング、大臀筋といった人体でも最大級の筋肉群を一度に鍛えることができる種目です。その結果、筋肉量の増加が促され、基礎代謝が向上し、運動していない時間帯でも脂肪が燃えやすい体質に近づいていきます。これは痩せやすい体を作るうえでとても重要な要素になります。
また、基礎代謝は年齢とともに自然と低下しますが、筋トレを習慣化することでこれを食い止めることも可能です。特に、スクワットのような複数の関節や筋肉を同時に使う運動であるコンパウンド種目は、短時間で高い代謝効果を得られるため、忙しい現代人にも適しています。
さらに、スクワットによって心拍数が上がることで、運動直後もエネルギー消費が持続するアフターバーン効果も得られます。この効果によって、トレーニング後も数時間にわたり脂肪が燃え続けるため、効率的に体脂肪を減らすことができるのです。
大筋群を鍛えることによる消費カロリーアップ
スクワットがダイエットに効果的なもう一つの理由は、大筋群を一度に動員できることにあります。人間の体の中で、特に筋肉量が多いのが太もも、お尻、背中といった部位です。これらを積極的に鍛えることで、運動中のエネルギー消費量が大幅に増加します。
例えば、一般的なウォーキング30分間の消費カロリーは約100~150kcalですが、スクワットは強度によっては同じ時間で最大250~300kcal近く消費できることもあります。しかも、筋肉量が増えることでその後の基礎代謝も底上げされるため、運動中+運動後の両方で消費カロリーが増加していくのです。
特に、スクワットでは膝・股関節・足首といった複数の関節を連動させながら、体幹を安定させる筋肉も同時に使います。この多関節運動(コンパウンドリフト)は、単関節運動に比べてエネルギー消費が大きく、より短時間で多くのカロリーを燃やすことができます。
また、運動強度を高める方法として、動作をゆっくり行うスロースクワットやジャンプスクワットを取り入れることで、さらに消費カロリーを引き上げることも可能です。負荷やフォームを適切に調整しながらトレーニングを続けることで、無理なく体脂肪を減少させていくことができます。

スクワットでお腹は痩せる?

スクワットと聞くと、脚やお尻を鍛えるイメージが強いかもしれません。しかし実は、スクワットはお腹痩せにも高い効果を発揮するトレーニングです。その鍵を握るのが、スクワット動作中に自然と鍛えられる体幹部の筋肉群です。体幹を安定させるために腹筋が強く動員されるため、ウエストまわりの引き締めにもつながります。
ここでは、スクワットがお腹痩せに効くメカニズムと、さらに効果を高めるための具体的なポイントを解説していきます。
体幹を鍛えることによるお腹痩せ効果
スクワットは下半身だけでなく、体幹を効果的に鍛える種目でもあります。体幹とは、腹部・背中・骨盤周りの筋肉全体を指し、特に腹直筋、腹斜筋、腹横筋といった腹筋群はスクワット動作中に強く関与します。
スクワットを行う際、体を安定させるためには、自然と腹圧(腹部内部の圧力)を高める必要があります。このとき、腹筋にグッと力を入れることで、ウエスト全体に刺激が入り、筋肉の引き締め効果が期待できます。特に腹横筋は天然のコルセットとも呼ばれ、鍛えることでお腹を内側から引き締め、ぽっこりお腹の改善に直結します。
さらに、体幹が強化されると、日常生活においても正しい姿勢が維持しやすくなります。猫背や骨盤の前傾といった悪い姿勢は、お腹周りに脂肪がつきやすくなる要因の一つですが、体幹の強化によりこれを防ぐことができ、結果的に痩せ見え効果も得られるのです。
スクワットによる体幹トレーニングは、一般的なクランチなどの腹筋運動よりも実は負荷が高い場合もあります。しかも、一度に多くの筋肉を使うため、短時間で効率的にお腹周りを鍛えられるのが大きなメリットです。
お腹痩せに効果的なスクワットのコツ
スクワットでお腹痩せ効果を最大限に引き出すには、いくつか意識すべきポイントがあります。
まず重要なのは腹圧をしっかり高めることです。スクワット中は、ただ膝を曲げ伸ばしするのではなく、腹筋に力を入れてお腹を内側に引き込むようなイメージで動作を行います。このとき、息を止めるのではなく、吸って下がり、吐きながら立ち上がるというリズムで呼吸を合わせると、より深く体幹が刺激されます。
次に、姿勢を正しく保つことも欠かせません。胸を張り、骨盤をニュートラルポジション(前傾でも後傾でもない自然な位置)にセットし、背筋を伸ばしたまましゃがみます。骨盤が後傾してしまうと腹圧が抜け、腰に負担がかかるだけでなく、体幹への効果も薄れてしまうため注意が必要です。
さらに、フォームに慣れてきたら、ワイドスクワットなどのバリエーションを加えるのもおすすめです。足幅を広げて行うワイドスクワットでは、内ももにも刺激が入り、体幹の安定性もより高まるため、お腹の引き締め効果がアップします。
加えて、動作スピードにも意識を向け、反動を使ってサッと立ち上がるのではなく、ゆっくりと下がり、コントロールしながら立ち上がることで、より深い刺激が腹筋に入ります。

スクワットでダイエットを成功させる方法

スクワットは、正しく取り組めばダイエット効果が非常に高いトレーニングですが、やみくもに続けるだけでは思うような成果は得られません。効果的に痩せるためには、適切な頻度やタイミングでのトレーニング、そして正しい食事管理が欠かせないポイントになります。
ここでは、スクワットによるダイエットを成功させるために意識すべき頻度・タイミングと食事との組み合わせ方について、解説していきます。
効果を高める頻度とタイミング
スクワットによるダイエット効果を最大限に引き出すには、トレーニングの頻度とタイミングを戦略的に設定することが重要です。
まず頻度についてですが、初心者の場合は週3~4回を目安に始めるのがおすすめです。筋肉はトレーニングによって微細な損傷を受け、休息期間に修復・成長する性質を持っています。このプロセスを超回復と呼び、一般的に筋肉の回復には48〜72時間が必要とされています。毎日スクワットを行うと、回復が間に合わず、逆に筋力低下やオーバートレーニングを招く可能性があるため注意が必要です。
一方、ある程度トレーニングに慣れてきた中級者以上であれば、回数やセット数を調整することで週5回以上の高頻度トレーニングも可能になります。この場合、1回あたりの負荷や量を適度に抑え、疲労を溜めすぎないよう工夫しましょう。
次にタイミングですが、代謝が高い朝の時間帯にスクワットを行うと、一日のエネルギー消費が促進されるというメリットがあります。また、夕方以降に行う場合も、体温や筋肉の柔軟性が高まっているため、ケガのリスクが低く、重めのトレーニングに挑戦しやすいという利点があります。
自分のライフスタイルに合わせつつ、週3~4回以上、1回20~30分程度、朝か夕方に実施を目安にスクワットを取り入れると、無理なく脂肪燃焼と筋力アップを同時に進めることができます。
正しい食事の管理
スクワットによるダイエット効果を確実にするためには、トレーニングだけでなく食事管理も重要なカギを握ります。どれだけ筋肉を鍛えても、摂取カロリーが消費カロリーを大きく上回っていては、体脂肪は減少しません。
まず基本となるのは、適度なカロリーコントロールです。過度な食事制限は筋肉量の減少を招き、基礎代謝の低下につながってしまうため、無理なカロリーカットは避け、1日あたり消費カロリーの80~90%程度の摂取を目安に設定するのが理想です。
次に意識したいのが、タンパク質の十分な摂取です。筋肉の合成・修復に欠かせないタンパク質は、スクワットトレーニングの効果を高めるためにも欠かせません。目安としては、体重1kgあたり1.2~1.6g程度のタンパク質を毎日摂取することが推奨されています。例えば、体重が60kgの方の場合は、1日に72g~96g程度の摂取量になります。
また、エネルギー源となる炭水化物も適度に取り入れることが大切です。極端に炭水化物を減らすと、トレーニング中にエネルギー不足に陥り、パフォーマンス低下やリバウンドの原因になりやすくなります。低GIの玄米、オートミール、さつまいもなどを中心に適量摂取しましょう。
さらに、ビタミンやミネラルをバランスよく補うことも忘れてはいけません。特に、筋肉の収縮に関与するマグネシウムや代謝をサポートするビタミンB群は意識して摂りたい栄養素です。
スクワットでダイエット効果を高めるためには、適切なカロリーコントロールと十分なタンパク質摂取、バランスの良い栄養補給を意識した食事管理を徹底していくことが成功への最短ルートとなります。
Q&A
- スクワットに痩せる効果がありますか?
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スクワットは基礎代謝を高め、脂肪燃焼を促進するため、痩せる効果が期待できます。特に下半身の大きな筋肉を鍛えることで、日常生活でも消費カロリーが増え、ダイエットに繋がりやすくなります。ただし、運動だけでなく食事管理も並行して行うことが重要です。
- スクワットを取り入れるだけでダイエットできますか?
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スクワットはダイエットに非常に効果的ですが、スクワットだけで体重が大きく減少するわけではありません。スクワットは代謝アップと引き締め効果がメインで、食事制限や有酸素運動との併用があれば、よりスムーズに体脂肪を減らせます。
- スクワットでお腹痩せはできますか?
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スクワットは下半身のトレーニングでありながら、腹筋群や体幹も強く刺激します。そのため、正しいフォームと腹圧コントロールを意識して行えば、お腹まわりの引き締めにも効果を発揮します。加えて、全身の脂肪燃焼が進むことで、結果的にお腹の脂肪も減少していきます。
- スクワットを何回くらいやれば痩せられますか?
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ダイエット目的であれば、1日15~20回を2~3セット、週3~4回が目安です。ただし、回数よりも正しいフォームを意識することが重要です。慣れてきたら少しずつ回数や負荷を増やしていくことで、より効率的に痩せることができます。
- スクワットだけで部分痩せはできますか?
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厳密には部分痩せは難しいとされていますが、スクワットによって筋肉が引き締まることで、お腹や太ももが細く見える効果は十分期待できます。また、全身の代謝アップによる脂肪燃焼が進めば、気になる部位のサイズダウンにもつながる可能性があります。
スクワットで体全体を引き締めよう

スクワットは基礎代謝を高め、大筋群を効果的に鍛えることで脂肪燃焼を促進し、体全体を引き締めることができるトレーニングです。特に体幹への刺激によってお腹周りの引き締め効果も期待できるため、部分痩せを目指す方にも適しています。
ただし、効果を得るためには、適切な頻度とタイミング、バランスの取れた食事管理が欠かせません。スクワットを正しく継続し、理想のボディラインを目指してください。