オリーブオイルはサラダやパスタなど、様々な料理に活用できる万能な油です。体にいい成分が含まれていることもあり、そのまま飲むという方法も注目されています。
そこでこの記事では、オリーブオイルを飲むメリットとデメリット、さらに具体的な飲み方やタイミングについて詳しく解説していきます。オリーブオイルは本当に飲んでも大丈夫なのか、どんなメリットがあるのかと疑問に思っている方はぜひ参考にしてください。
オリーブオイルを飲むメリット

オリーブオイルを飲むことで健康面や美容面など、多くのメリットが期待できます。ここではオリーブオイルを飲むことで得られるメリットについて、解説していきます。
血液のめぐりや便通をサポート
オリーブオイルには不飽和脂肪酸の一種である、オレイン酸という成分が豊富に含まれています。オレイン酸は、腸のぜん動運動を穏やかに促すとされており、硬くなりがちな便に適度な柔らかさを与えてスムーズな排出をサポートします。
また、オイルが腸の中で潤滑剤としての役割も担い、自然なお通じを促す働きも期待できます。腸は「第二の脳」とも呼ばれる臓器で、腸内環境が整うことで便秘だけでなく肌荒れや疲れやすさなどの不調の改善にもつながる可能性があります。
美容やアンチエイジングをサポート
オリーブオイルには、ビタミンEやポリフェノールといった強い抗酸化作用を持つ成分が含まれています。抗酸化作用とは体内の酸化を抑える働きのことで、アンチエイジングとしての役割も期待できます。 美容面でいえば、お肌の調子を整え、シミやしわを予防する可能性があるといわれています。
生活習慣病予防やコレステロール管理をサポート
オリーブオイルに含まれるオレイン酸は、善玉コレステロールの量を維持し、悪玉コレステロールの量を減らすことで血液中の脂質バランスを整え、血管の詰まりを防ぐ働きが期待できます。実際、オリーブオイルの摂取量の多い地中海地方の人々は、心筋梗塞や動脈硬化の発症率が他地域に比べて低いといわれています。
また、オリーブオイルにはポリフェノールが含まれており、抗酸化作用によって血管の健康をサポートする働きも期待されています。こうした成分の相乗効果によって、毎日の体調管理にプラスアルファの役割を果たすといわれています。

オリーブオイルを飲むデメリット

オリーブオイルを飲むことで得られるメリットは多いものの、注意すべきデメリットも存在します。ここではオリーブオイルを飲むデメリットについて解説していきます。
カロリー過多による体重増加のリスク
オリーブオイルはヘルシーなイメージが強いですが、油であることに変わりはありません。他の植物油と同様に、1gあたり約9kcalと高カロリーです。適量を飲んでいる分には問題ありませんが、量を把握せずに毎日たっぷり摂取していると、摂取カロリーオーバーを招きやすくなります。
結果として、体重が増えやすくなり、ダイエット目的で始めたはずが逆効果になるケースもあります。そのため、オリーブオイルを飲むときは、まず1日大さじ1杯程度の量からスタートして、様子を見ながら調整するのが安心です。

体質によっては胃腸を刺激するリスク
オリーブオイルは一般的に消化にやさしいとされていますが、体質によっては胃腸を刺激して下痢や腹痛を引き起こすことがあります。特に、もともと胃腸が弱い人や、慢性的な胃炎・腸炎を抱えている方の場合、症状を引き起こす可能性が高いと考えられます。
また、胆のうや肝臓にトラブルを抱えている方は、油分の摂取によって脂質代謝に関わる臓器に負担をかけてしまうため慎重になる必要があります。これはあくまでも、油全般に言われることなので、オリーブオイルが悪いというわけではありません。もし気になる症状がある場合は、自己判断でオリーブオイルを飲むことは避け、医師に相談するのが安全策といえます。
品質や保管状態による酸化リスク
オリーブオイルは品質や保管状態に大きく左右されやすい油です。特に、エクストラバージンオリーブオイルは空気や光にさらされると酸化が進みやすく、風味が落ちるだけでなく、健康面のメリットも減ってしまいます。
たとえば、高温多湿の場所に長期間保管したり、キャップを開けっ放しにしていたりすると、オリーブオイルの味や香りが損なわれやすくなります。酸化した油は健康に悪影響を及ぼすことも指摘されているため、飲むどころか料理で使う場合でも注意が必要です。
オリーブオイルを選ぶ際はできるだけ遮光瓶に入ったものを選び、直射日光の当たらない涼しい場所に保管するといった基本的な対策を心がけましょう。また、購入時期を把握して、なるべく早めに使い切ることも大切です。オリーブオイルが余ってしまうようなら、サラダやパスタなどの調理にも使いまわし、無駄なく使い切る工夫をするようにしましょう。

オリーブオイルの飲み方

オリーブオイルを飲むにあたって、実際にどのようにして飲めばいいのかと疑問に思う方も多いでしょう。ここでは、具体的にどのようにオリーブオイルを飲めば良いかについて解説していきます。
スプーンでそのまま飲む方法
一番シンプルな方法は、スプーンでそのままオリーブオイルを飲むやり方です。朝起きたらコップ1杯の水を飲み、その後オリーブオイルをスプーン1杯分飲むのが一般的な方法です。空腹時にオリーブオイルを飲むことで、腸への刺激をスムーズに促す狙いがあります。
ただし、オリーブオイル独特の風味や苦味に慣れない方にとっては、抵抗を感じることも少なくありません。その場合は、少量のレモン汁や酢を加えることで飲みやすくすることができます。酸味が加わることで口当たりが変わり、風味がやわらぎやすくなります。
あまり大量に飲むと胃もたれや気分不良を起こす可能性があるため、初めは小さじ1杯程度からスタートして、自分の体調や味覚に合わせて量を調整してください。また、飲み物と一緒に流し込んでも問題ないので、最初は無理せず続けられるレベルで実践していくようにしましょう。
飲み物や料理に混ぜて摂取する方法
飲みにくいと感じる方は、オリーブオイルをジュースやスープなどに混ぜて摂る方法がおすすめです。例えば、トマトジュースや野菜ジュースに少量加えると、まろやかさが増して飲みやすくなります。お湯で割ったレモン水やハーブティーに混ぜる方法などもあり、好みの飲み方を見つけていくのもオリーブオイルを飲む醍醐味です。
さらに、飲み物としてオリーブオイルを飲むのに抵抗感がある方は、料理に活用するようにしましょう。その際、注意したいのが加熱はできる限り避けることです。オリーブオイルは加熱することで栄養素が失われやすくなるため、使用する際はサラダにかけたり、味噌汁やスープの仕上げに使ったりするのがおすすめの使用方法になります。
エクストラバージンオリーブオイルを選ぶ
オリーブオイルには、エクストラバージンやピュア、精製オリーブオイルなどの種類があります。このうち、エクストラバージンオリーブオイルは、風味豊かで加熱処理や化学処理を受けていないものが多く、栄養成分も豊富に含まれることが特徴です。オリーブオイルを飲むのであれば、エクストラバージンを選ぶのが最適です。
また、選ぶときはラベル表示に注目して、酸度や産地、製造方法などを確認すると失敗しにくくなります。できるだけフレッシュな状態のオイルを選ぶことで、オリーブ本来の香りや風味を楽しむことができます。ブランドや産地によって、フルーティーであったり、ピリッと刺激であったりと、かなりの違いがあるので自分好みのものを見つけるとさらに楽しみが広がります。


オリーブオイルを飲むタイミング

オリーブオイルはいつ飲むのがベストなのか、と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。人によって生活リズムが異なるため、自分の体がもっとも吸収しやすいタイミングや継続しやすい時間帯を見つけることが大切です。ここでは具体的なオリーブオイルの飲むタイミングについて解説します。
朝起きてすぐに飲む
もっとも一般的なのが、朝にオリーブオイルを飲むことです。朝起きたときは胃が空っぽの状態になっているため、オリーブオイルの栄養素をダイレクトに取り込みやすく、腸の動きを促す効果も期待できます。また、オレイン酸やポリフェノールが体内をスムーズに動かす助けとなるため、朝の活力アップとしてもおすすめです。
ただし、胃の調子が悪い日や体質によっては、朝に油を摂取すると気分が悪くなる場合も考えられるので、まずは小さじ1程度から始めるか、水や飲み物で薄めるなどして様子を見るようにしましょう。
食前や食後に飲む
ダイエット中の方におすすめなのが、食前にオリーブオイルを飲むことです。空腹感や食事量を抑えられ、過食を防ぐことにつながります。一方、食後に飲む場合は、胃への負担を軽減できる点が魅力的なポイントになります。例えば、辛い物や脂っこい物を食べた後にオリーブオイルを少量飲むことで、腸内環境を整えやすくすなる場合もあります。
ただし、個人差が大きいので、自分が最も心地よいと感じるタイミングを見つけることが重要です。また、毎日の食事や生活スタイルにも合わせやすい時間帯を優先することで、長く続けやすくなります。 食前・食後どちらにしても、一気に大量に摂るよりは少しずつ数回に分けたほうが胃腸への負担は少なくなります。
夜寝る前に飲む
便秘対策をしたい方におすすめなのが、夜寝る前にオリーブオイルを飲むことです。これには就寝中の腸の動きをサポートし、翌朝の排便をスムーズにする狙いがあります。
ただし、夜はあまり重たいものを摂取すると胃もたれする可能性がある点には、注意が必要です。量を調節しながら少量から試し、自分に合わなければ朝や他のタイミングに変えてみるのも重要になります。柔軟さも必要でしょう。また、飲んだ後すぐに横になると逆流性食道炎のリスクが高まるので、少なくとも飲んでから30分は体を起こしておくのが望ましいです。
オリーブオイルを飲むに関するQ&A
- オリーブオイルはどれくらいの期間飲めばいいですか?
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オリーブオイルを飲む場合は、おおむね2週間~1カ月の継続がおすすめです。2週間の継続的な摂取によって便通の改善があったとの報告もあります。
- オリーブオイルは1日にどのくらいの量を飲めばいいですか?
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オリーブオイルは1日に4ml、小さじ1杯程度から始めてみるのがおすすめです。安全かつ効果的に便秘の改善が行われると考えられています。
- オリーブオイルはダイエット中に本当に飲んでも大丈夫ですか?
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適量を守れば、十分にダイエット中でも取り入れられます。オリーブオイルは小さじ1杯で約36kcal、大さじ1杯で約108kcalなので、自身で設定している摂取カロリーに合わせて調整するようにしましょう。
- オリーブオイルを飲むときにおすすめなものはありますか?
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エクストラバージンオリーブオイルがおすすめです。ピュアオリーブオイルや精製オリーブオイルと比較して栄養面に優れ、風味もいいのが特徴になります。
オリーブオイルを飲んで健康に過ごそう

オリーブオイルを飲むことで、腸内環境の改善やコレステロールの調整、美容やアンチエイジングなど、日常の健康管理に多くのメリットをもたらします。
ただし、摂りすぎや保管状態による酸化、体質との相性などには注意が必要です。大切なのは量と質を意識して、自分の体に合った方法で取り入れることです。無理なく続けられる飲み方を見つけて、毎日の習慣にオリーブオイルを上手に取り入れてみてください。