モリンガの危険性と副作用|デメリットや効果ないといわれる理由について解説

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モリンガの葉

モリンガはさまざまな栄養素を含むことから、「奇跡の木」と呼ばれることもあります。一方で、危険性や副作用を心配する声があるのも事実です。

そこで本記事では、モリンガの危険性や副作用、デメリット、効果がないといわれる理由について、科学的根拠を交えながら解説します。モリンガを試すかどうか迷っている、モリンガは安全なのか気になるといった方は、ぜひこの記事を参考にしてください。

目次

モリンガの危険性

モリンガの葉とパウダー

モリンガは健康や美容に良いとされますが、危険性がまったくないわけではありません。まずはどのようなリスクが考えられるのかを理解することが大切です。以下で詳しく解説していきます。

モリンガの根や樹皮には注意が必要

モリンガ(ワサビノキ)は葉・種・根など部位ごとに成分が異なり、安全性にも違いがあります。特に妊娠中の摂取には大きなリスクがあります。

モリンガの根や根皮にはアルカロイドという成分が含まれ、子宮収縮を引き起こし流産につながる可能性が指摘されています。厚生労働省でも「妊娠ラットへの高用量投与で流産が見られた」との報告に言及し、妊婦のモリンガ(加工品含む)摂取は危険と注意喚起しています。実際、伝統医学ではモリンガの根や樹皮は堕胎目的にも使われてきた経緯があり、妊娠中は避けるべきです​。

参考:
Moringa – Uses, Side Effects, and More
Moringa oleifera(いわゆるモリンガ、ワサビノキ※)について(厚生労働省)

モリンガの葉や種子は過剰摂取に注意

モリンガの葉や種子自体は食用実績もあり適量であれば基本的に安全とされています。しかし、過剰摂取は注意が必要で、動物実験では高用量で肝機能酵素(ALTやALP)の上昇など蓄積毒性が観察され、人間でも1日70gを超える大量摂取は避けるべきとの提案があります。

通常のサプリやお茶の範囲(数グラム~十数グラム程度)では問題ありませんが、極端な量を長期にとれば肝臓や腎臓への負担となる恐れがあります。また、モリンガの根及び樹皮は有毒成分を含むため経口摂取は安全でないとされており、市販サプリでも根由来の成分を含むものには注意するようにしましょう。

参考:
Moringa oleifera: An Updated Comprehensive Review of Its Pharmacological Activities, Ethnomedicinal, Phytopharmaceutical Formulation, Clinical, Phytochemical, and Toxicological Aspects
Moringa – Uses, Side Effects, and More

モリンガの副作用

モリンガの葉とパウダー

一般的にモリンガの葉や種の適量摂取で重大な副作用はほとんど報告されておらず、多くの人にとって十分に安全性のある食材と考えられています。しかし、全く副作用が無いわけではなく、いくつか注意すべき症状が報告されているのも事実です。以下で詳しく解説していきます。

胃腸の不調を引き起こす可能性がある

モリンガの過剰摂取や体質によって起こりうる軽度な副作用として、消化器系の不調があります。具体的には「胃痛」や「軟便(下痢)」など胃腸の不調です。

モリンガには豊富な食物繊維やビタミン、ミネラルが含まれ、体に良い影響を与えるのが大半ですが、急に大量の食物繊維を摂取することで腸内環境が追いつかず、腹痛や下痢、便の性状が変わるなどの症状が起こる場合があります。便秘気味の人にとってはモリンガが腸内環境の改善に役立つこともありますが、人によっては刺激が強すぎる可能性もあるので注意が必要です。

アレルギー反応が出る可能性がある

ハーブに対するアレルギー体質の人は、モリンガにおいても蕁麻疹や皮膚炎、呼吸器症状が起こる可能性があります。モリンガ使用による副作用は主に呼吸器(喘息様症状やアナフィラキシー)、皮膚(アトピー性皮膚炎様症状)、筋肉(横紋筋融解症)の3カテゴリに分類できるとされています。これはモリンガ含有成分による過敏反応(アレルギー)やモリンガ中のフラボノイド(クエルセチンやケンペロール)の構造がスタチン系薬剤と似ているために起こる副作用(筋障害)ではないかというのが現時点での考察となっています。

実際、モリンガ摂取後に横紋筋融解症(筋肉組織の崩壊)を発症したケース報告があり、激しい筋肉痛やCK(クレアチンキナーゼ)値の著増がみられています。幸いこうした重篤なケースは極めて稀ですが、ゼロではありません。体の不調が出た際にはモリンガの使用を中止し、かかりつけの医師に相談するようにしましょう。

参考:Systematic Literature Review: Side Effect of Moringa oleifera Lam.

モリンガの摂取にデメリットはある?

モリンガパウダーとカプセル

モリンガは「奇跡の木」と称され多くの健康メリットが語られますが、一方でいくつかのデメリットや注意すべき点も存在します。ここではモリンガのデメリットについて詳しく解説していきます。

他の薬との相互作用の可能性がある

モリンガには薬物代謝酵素に影響を与える成分が含まれているといわれ、一部の医薬品の分解が遅れ副作用が増減するリスクがあります。実際臨床試験でも、モリンガと糖尿病薬を併用すると血糖が下がりすぎる恐れが指摘されています。モリンガ自体に血糖降下作用があるため、インスリンや経口血糖降下薬と一緒に摂ると低血糖症状(めまい、冷や汗、意識低下など)を招く可能性があります。

同様に、高血圧の薬や甲状腺ホルモン剤とも相互作用の懸念が指摘されています。例えばレボチロキシン(甲状腺薬)はモリンガによって吸収が減少し効果が落ちる可能性が報告されています。甲状腺機能低下症(低下症)の人はモリンガで症状が悪化した例もあり、注意が必要です。このように持病で薬を服用中の方にとってはモリンガはデメリットが多いといえ、使用前には必ず主治医に相談するのが安全です。

妊娠中や低血圧などの特定の状況下では使用できない

妊婦や授乳中の方、低血圧・低血糖の傾向がある方、甲状腺疾患のある方などはモリンガの使用を控えるのが最適です。また、腎臓疾患でカリウム制限がある方も注意が必要になります。モリンガの葉は非常にカリウム含有量が高く、乾燥重量あたり13.2%にも達し、バナナの4倍以上という分析結果があります。

腎機能が低下している人がモリンガを大量に摂取すると、高カリウム血症(不整脈や筋力低下を引き起こす危険な電解質異常)につながる恐れがあります。実際に高カリウム血症そのものの症例報告は確認されていませんが、腎臓の悪い方はモリンガ製品に含まれるカリウムにも留意すべきといえます。

参考:
Moringa – Uses, Side Effects, and More
Nutritional composition and mineral profile of leaves of Moringa oleifera provenances grown in Gaborone, Botswana

モリンガの製品によっては品質や汚染リスクがある

モリンガの人気が高まる一方で、栽培や加工、保管状況によっては有害物質の混入が懸念されています。近年の分析では、市販のモリンガ製品から鉛やヒ素などの重金属、ベンゾピレンのような多環芳香族炭化水素(PAHs)、さらにはカビ毒(マイコトキシン)が基準を超えて検出される例もあり、「驚くほど高濃度で汚染されていた」という報告もあります。

これは生産地の土壌汚染や乾燥、保管中のカビ繁殖など様々な要因によりますが、モリンガ製品の安全性評価や規制整備が追いついていない現状が指摘されています。このため、モリンガを利用する際は信頼できるメーカーの製品を選ぶ、原産国や製造工場を確認する、過剰摂取しない、といった自己防衛も必要になります。

参考:The Future of Moringa Foods: A Food Chemistry Perspective

栄養吸収を阻害する可能性がある

モリンガの葉には健康に有用な栄養素が多い反面、フィチン酸やタンニンなどの栄養の吸収を妨げる抗栄養素も含まれています。抗栄養素はミネラルの吸収を阻害する働きがあり、モリンガにおいても無視できない量が含有されています。

例えば、鉄や亜鉛の吸収率が低下する可能性があり、せっかくモリンガで栄養補給しても効率良く吸収されない場合があります。ただし調理法(加熱や発酵)によって抗栄養素の影響を減らすこともできます。いずれにせよ、モリンガだけに頼った栄養摂取には限界があるため、バランスの良い食生活の補助として活用するのが最適です。

参考:The Future of Moringa Foods: A Food Chemistry Perspective

モリンガは効果がないといわれる理由

モリンガの葉

モリンガはスーパーフードとして様々な効能が期待されていますが、一方で「効果がないのでは?」ともいわれます。その主な理由として考えられるポイントを以下で解説します。

効果は個人差がある

モリンガは薬ではなく栄養補助食品に近いため、ゆるやかな作用に留まります。即効性がある薬とは違い、モリンガの効能(例えば免疫調整や抗酸化作用など)は長期的・間接的な健康維持効果です。そのため、短期間試しただけでははっきりとした変化を感じにくく、「何も効果がない」と思われがちです。

特に元々健康な人がモリンガを摂取しても劇的な変化はありませんし、効果の実感には時間がかかります。一方で栄養状態の悪い人や疾患を抱える人には有益な変化が見られる場合もあり、効果の有無は個人差が大きいといえます。

効果を測定するのは難しい

モリンガの効果の多くは抗酸化や免疫調整、栄養改善など間接的なものです。血圧や血糖のように数値で測れる指標もありますが、研究によると、モリンガを併用しても糖尿病患者の長期指標は有意に改善しなかったケースもあります。

このように、効果を客観的に捉えにくい側面もあり、体感としても「なんとなく調子が良い」といった主観評価になりがちで、劇的な症状改善がない限り効果を疑われやすいのが実情です。

モリンガを使用する際は過度に期待せず、日々の習慣に気軽に取り入れてみるのが最適といえます。

参考:Moringa – Uses, Side Effects, and More

品質のいいモリンガの選び方

モリンガドリンク

モリンガを選ぶ際に「どの製品を選べばいいのか」「どの製品は安全なのか」気になる方は多いのではないでしょうか。品質のいいモリンガを選ぶことで、栄養をしっかりと摂取でき、安全面のリスクも抑えることができます。以下で品質のいいモリンガの選び方について解説していきます。

原産地や栽培方法を確認する

品質のいいモリンガを見極める際にまず確認すべきなのは、原産地と栽培方法です。モリンガは南国を中心に栽培されているケースが多く、例えばインド、フィリピン、タイなどが主な生産国として知られています。

いずれの地域であっても、信頼できる農家や企業が管理し、安全に生産されたものであれば過度に心配する必要はありません。近年では日本国内で栽培されたモリンガも流通しているので、より安心感を求める方は国産のモリンガを選択するのもおすすめです。

栽培方法に関しては、農薬や化学肥料の使用状況に関する情報を確認することがとても大切です。オーガニック認証や有機JAS認証などを受けているものであれば、農薬や肥料による汚染のリスクを最小限に抑えることができます。

製造工程を確認する

各地で栽培されたモリンガは製造工場で加工され、消費者の元に届けられます。栽培段階で適切に扱われていた場合でも、製造工程で適切に扱われていなければ安心して利用することはできません。製造を行う工場がどのようなところなのか、加工段階で殺菌処理を行っているのかも、品質を見極める際のひとつの指標になります。

また、モリンガの葉を乾燥させる際に過度な高温処理を行わず、ビタミンやミネラルといった栄養素の破壊を防ぐ工夫がされているかどうかも確認しておきたいポイントです。

モリンガの危険性と副作用に関するQ&A

モリンガを毎日飲んでも大丈夫ですか?

基本的には大丈夫とされていますが、体質や飲む量によっては下痢や腹痛が起こる場合があります。サプリやお茶の説明書どおりの摂取量を守り、体調に変化があれば医師に相談するのが安全です。

モリンガは妊娠中や授乳中に飲んでも問題ありませんか?

モリンガの根や根皮には流産を引き起こす可能性が示唆されています。葉や種に関しては特段の問題は報告されていませんが、使用する際は念のため医師や助産師に相談するようにしましょう。

モリンガは血圧の薬を飲んでいても活用できますか?

モリンガに血圧を下げる可能性のある成分が含まれているという報告があります。重複した作用で血圧が下がりすぎるリスクがゼロではないため、服用中の薬がある方は医師や薬剤師に確認することを推奨します。

モリンガを安全に取り入れよう

モリンガ茶

ここまで、モリンガの危険性や副作用、デメリット、効果がないといわれる理由について解説してきました。総合的に見れば、モリンガは栄養価の高い植物であり、正しい方法で摂取すれば体調をサポートしてくれる可能性があります。

ただし、体質や薬との相性によっては副作用が出たり、安全に利用できない場合もあるので注意が必要です。しっかりとリスクについて知り、安全に配慮しつつモリンガを生活に取り入れてみてください。

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