オリーブオイルは様々な料理に活用でき、健康面にも優れている万能な油です。しかし、オリーブオイルを使おうと思ったけど手元にない、オリーブオイルよりも健康に良い油を取り入れたい、そんな方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、すぐに代用できる油やオリーブオイルの代用となる健康面に優れた油を紹介していきます。ぜひ参考にして、シーンや目的に合わせてオリーブオイルの代用を取り入れてみてください。
すぐに使えるオリーブオイルの代用油

オリーブオイルをいざ使おうとしたときに「切れていた」という経験は少なくありません。そんなときでも手軽に代用できる油は意外と多く、自宅のキッチンに常備されているものもあります。
ここでは、誰でも使いやすいサラダ油やごま油、こめ油、バターなど、パッと使える油を中心に、その特徴やメリットを解説していきます。
サラダ油で代用する方法

サラダ油は、キャノーラ油や大豆油などを総称した安価で手に入りやすい油です。ポイントは、クセの少ない風味と加熱調理のしやすさです。オリーブオイルが無いときにサラダ油を使うと、味わいがシンプルになる分、さまざまな食材や調味料と調和しやすいという利点があります。
例えばパスタを作る際、仕上げにオリーブオイルを加える代わりにサラダ油を使ったとしても、ガーリックや唐辛子と組み合わせれば、物足りなさを補えます。時間のないときでもスムーズに代用できるうえ、コストを抑えたい方にも適した選択肢となります。
ごま油で代用する方法

ごま油は、炒め物や和風のパスタなどに用いられると独特の香ばしさが加わり、食欲をそそる仕上がりになります。ポイントはその香りの強さで、オリーブオイルのようなフルーティーな風味とは異なるものの、調理全体をまとめる役割を担ってくれる点が魅力です。ごま油にはローストしたような芳ばしい香りがあり、それが野菜や肉の旨味を引き出してくれます。
ただし、ごま油はオリーブオイルとは全く違う風味をもつため、レシピによっては香りが勝ちすぎてしまうケースもあります。パスタなどの洋風メニューに使うなら、ニンニクや唐辛子などを活用し、中華寄りの味付けを意識するとマッチしやすくなります。
例えば、オリーブオイルで作るペペロンチーノをごま油でアレンジすると、ややアジアンテイスト寄りの新鮮な味わいに変化します。いつものメニューに変化をつけたいときや、家庭にごま油しかないときには、オリーブオイルの代用品として十分活躍してくれます。
こめ油で代用する方法

こめ油は、米ぬかから抽出される油で、サラダ油よりもほんのりまろやかな甘みを感じることがあります。ポイントは、こめ油にはビタミンEやトコトリエノールなどの栄養成分が含まれていることと、比較的クセが少なく使い勝手が良いことです。
オリーブオイルと同様に健康意識の高い方に注目されている油でありながら、和洋中どんな料理にもマッチしやすいので、日常的に代用する油として適しています。たとえば、ドレッシングを作る際にオリーブオイルの代わりにこめ油を使うと、穏やかなコクが加わり、味に深みを与えながらもしつこさを感じにくくなります。また、こめ油は揚げ物にも向いており、幅広い調理シーンでオリーブオイルの代用品として活用できます。
バターで代用する方法

バターは、オリーブオイルとは異なる乳製品ならではのリッチな風味を持っています。ポイントは、そのコクと香りが料理に加わることで、濃厚な味わいに仕上がることです。バターには乳脂肪や少量の水分が含まれ、それがソースや炒め物にプラスされると、口当たりが柔らかくなります。
例えば、パスタソースにオリーブオイルを使わず、仕上げにバターを加えると、パスタ全体に深いまろやかさが広がります。風味に変化をつけたい場合や洋食をさらにコク深い仕上がりにしたいときに、バターは最適です。ただし、バターは高温に弱く焦げやすいので、調理の火加減に注意するようにしましょう。
シーン別のオリーブオイルの代用油

オリーブオイルを代用する際は、料理の種類や調理工程によって選ぶ油を変えると、より満足度の高い仕上がりになります。ここからは、炒め物や焼き菓子、パスタ、サラダなど、よくあるシーンごとにどの油が向いているのかを解説します。
炒め物は耐熱温度を意識して選ぶ

炒め物は高温で短時間に火を通すことが多いため、耐熱温度の高い油を選ぶのがポイントです。耐熱温度の低い油を過度に加熱すると、煙が出たり、油自体の風味が損なわれたりして料理が台無しになる恐れがあります。
オリーブオイルは中温~高温の調理にも適していますが、エクストラバージンオリーブオイルは高温で風味が飛んでしまいます。一方で、サラダ油やキャノーラ油、ごま油、こめ油などは比較的高温に強いため、炒め物にも使いやすいです。炒め物を急いで作りたいときでも、これらの油を選べば焦げや煙のリスクを減らしながら、おいしく仕上げることができます。
焼き菓子やパン作りは香りを意識して選ぶ

オリーブオイルは焼き菓子やパン作りにも使われることがありますが、代用品を選ぶ際は香りを重視すると仕上がりの印象が大きく変わります。ポイントは、バターやココナッツオイルなど香りに特徴のある油を用いるか、サラダ油のようにあっさりしたものを使うかによって、味わいがまるで違うものになることです。
油に含まれる成分によって生地の香りや食感が変化し、例えばバターを使えば洋菓子やパン生地に深いコクを加えられ、一方でサラダ油を使うと軽い食感にまとまりやすくなります。作りたいお菓子やパンのイメージに合わせて代用油を選ぶと、より満足度の高いパンやスイーツを作ることができます。
パスタやサラダの仕上げには風味を意識して選ぶ

オリーブオイルは、パスタやサラダの仕上げに使われることが多く、独特のフルーティーな香りが人気の理由です。そのため、代用品を選ぶ際は、どのような風味を加えたいかを明確にするとで失敗が少なくなります。
サラダ油を使うなら香味野菜やスパイスと合わせることで物足りなさをカバーできますし、ごま油を使えばアジア風のテイストになりトッピング次第で様々な味わいにアレンジできます。エゴマ油やアマニ油のように熱に弱いオイルは、生のサラダや冷製パスタの仕上げに適しています。食材や他の調味料との風味の組み合わせを考え、それに合わせた油を代用するようにしましょう。
油以外のオリーブオイルの代用アイデア

オリーブオイルを切らしてしまったときや油自体を控えたいというときは、油以外の食材を使って料理する方法もあります。油を全く使わない方法はヘルシー志向の方やダイエット中の方にも取り入れやすく、意外とバリエーション豊富に楽しめるのが魅力です。健康的な調理を目指したいという方は、ぜひ参考にしてください。
ノンオイル調理にする

ノンオイル調理をするときは、まずフライパンや鍋の焦げ付きに気をつけることが大切です。フッ素加工やセラミック加工された調理器具を使えば、油を使わなくても焦げ付きにくくスムーズな調理ができます。蒸し焼きや電子レンジを活用すると、食材本来の水分を活かしながら加熱できるため、油の使用を抑えられます。
たとえば鶏の胸肉をオーブンで焼くときは、クッキングシートを敷き、バジルやガーリックパウダーなどの香りをつければ、油分は最小限でも美味しく仕上がります。ノンオイル調理をマスターすることで料理の幅も広がるので、ぜひ挑戦してみてください。
代わりに出汁やスープを使う

油の代わりに出汁やスープを活用すると、素材からうま味がにじみ出て、ヘルシーでありながらしっかりした味わいが得られます。和食であれば鰹や昆布の出汁を使い、洋食ならチキンブロスやコンソメスープなどを利用するのが一般的です。
野菜を炒める前に少量の出汁を加えて軽く煮込むようにすると、油がなくても柔らかく仕上がり、食べやすくなります。野菜が苦手な子どもや硬い食感が気になる方にも適した方法です。出汁やスープを使う場合は塩分の摂取量に注意するようにしましょう。
ドレッシングはヨーグルトや豆乳を使う

サラダやマリネを作るときにオイルベースのドレッシングが合わない、あるいは油を控えたいという場合には、ヨーグルトや豆乳を活用するのがおすすめです。ヨーグルトなら適度な酸味があり、少し塩やハーブを加えれば爽やかなドレッシングに仕上がります。豆乳を使うときは、レモン汁や味噌を合わせてコクを出すと、油分が少なくてもまろやかな味わいになります。
これらの食材を活用することで、サラダ全体のカロリーを抑えながら、十分に満足感を得られます。忙しい方でも混ぜるだけで簡単に作れるので、日々の食卓に取り入れてみてください。
より健康に良いオリーブオイルの代用油

オリーブオイルは健康的なイメージがありますが、他の油にも健康面における魅力があります。ここでは、エゴマ油やアマニ油に代表されるオメガ3脂肪酸を多く含む油、ココナッツオイル、グレープシードオイルについて、どのように使い分けると良いか解説します。
エゴマ油やアマニ油のオメガ3脂肪酸

エゴマ油やアマニ油に含まれるオメガ3脂肪酸は、血液をサラサラに保つ働きがあるとされ、現代人が不足しがちな栄養素のひとつです。食の欧米化などにより、飽和脂肪酸を多く含む食材を摂りがちな食生活が増えている一方、オメガ3脂肪酸の摂取機会は限られているため、オメガ3脂肪酸の重要度が高まっています。
エゴマ油やアマニ油はオリーブオイルとは違って熱に弱く、加熱すると栄養価や風味が大きく損なわれる可能性があります。そのため、サラダや冷製パスタ、和え物など、生食に近い調理法で使うのが最適です。
ココナッツオイルでダイエットをサポート

ココナッツオイルには中鎖脂肪酸が多く含まれており、エネルギーになりやすく体脂肪として蓄積されにくいといわれています。そのため、ココナッツオイルはダイエットや健康維持を目的に利用されることが多いという特徴があります。
ただ、ココナッツオイルには独特の甘い香りがあるので、料理によっては合わない場合がある点に注意が必要です。スイーツやエスニック料理、トロピカル風味のアクセントが欲しいときに、ココナッツオイルは適しています。オリーブオイルと同じ感覚で使うと香りの違いに驚く方もいるかもしれませんが、シチューやカレーに少量加える程度なら美味しく仕上がります。
定番の使用方法として、まずはコーヒーに少し混ぜてみるところから始めるのがおすすめです。
グレープシードオイルで抗酸化サポート

グレープシードオイルはブドウの種から抽出されるオイルで、ビタミンEをはじめとする抗酸化物質を含む特徴があります。独特な強い香りがなく、さらっとした軽い質感を持っており、幅広い料理に合わせやすい油です。
オリーブオイルと同様にパスタやサラダに使ったり、焼き菓子に取り入れても、味を損なわずに仕上げられます。
オリーブオイルの代用Q&A
- オリーブオイルの代用になる油は何ですか?
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オリーブオイルの代用となる油には、サラダ油やこめ油、ごま油、バター、グレープシードオイル、ココナッツオイルなどがあります。料理のシーンや求める風味、健康面など、目的によって使い分けるのがおすすめです。
- オリーブオイルの代用でサラダ油は使えますか?
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サラダ油は、オリーブオイルの代用品としてもっとも手軽に使える油です。クセが少なく加熱にも強いので、パスタや炒め物、揚げ物など幅広い料理に活用できます。
- オリーブオイルの代用でこめ油は使えますか
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こめ油は、オリーブオイルの代用として活用できる油です。クセが少ないのにコクがあり、栄養面でもビタミンEやトコトリエノールが含まれているため、健康志向の方にもおすすめな油です。
- オリーブオイルの代用でペペロンチーノを作る方法はありますか?
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ペペロンチーノはオリーブオイルがないときでもごま油やサラダ油などで代用可能です。オリーブオイル特有のフルーティーさを再現できない分、ニンニクや鷹の爪の炒める時間を少し長めにして風味を引き出すと、物足りなさが軽減されます。ごま油を使えば和風のペペロンチーノになり、サラダ油ならあっさりとした仕上がりになります。
- オリーブオイルの代用でドレッシングは作れますか?
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ドレッシングは、サラダ油やこめ油、グレープシードオイルなどのクセが少ない油を代わりに使うことで問題なく作れます。オリーブオイルの香りがないぶん、酢やレモン汁、ハーブ、スパイスなどで風味を補うとバランスが良くなります。
- オリーブオイルの代用でアヒージョは作れますか?
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アヒージョはオリーブオイルの代わりにごま油やこめ油、グレープシードオイルなどでも代用可能です。ポイントは低温でじっくり加熱して具材に油をしみ込ませること、ニンニクやハーブを多めに入れたりキノコの種類を変えたりして旨味を補うことです。
- オリーブオイルの代用でパスタは作れますか?
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パスタを作るときのオリーブオイルの代用として、サラダ油やバター、ごま油などを使うことができます。オリーブオイル独特の風味が得られないぶん、味付けの調整を少し変る、コクや香りを補うことが大切です。
- オリーブオイルの代用でカルパッチョは作れますか?
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カルパッチョにオリーブオイルを使わない場合は、こめ油やグレープシードオイルなどクセの少ない油を選ぶと、魚の味を邪魔せずに仕上げられます。酸味となるレモン汁やお酢、塩やハーブなどをしっかり組み合わせることで、オリーブオイルなしでもあっさりとした風味が楽しめます。
オリーブオイルの代用油を活用してみよう

ここまで、オリーブオイルがないときの代用油やオリーブオイルよりも健康面に優れた代用油について解説しました。油を変えるだけで、料理の味や香りがガラッと変わり、同じレシピなのに新鮮な感覚を得られます。ぜひ今回紹介したオリーブオイルに代わる油を活用して、日々の食卓に多彩なバリエーションを加えて下さい。